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前向きな自分って、ちょっとくすぐったい。

夕方降った雨のおかげで、気温は高くないけれど、湿度が高くて少し蒸し暑い。そんな湿度の高さに夜風の冷たさが心地いい。

イヤホンから流れるビートに合わせて、誰にも気付かれないようにリズムを取りながら歩く。そういえば中学時代、音楽の時間に同じように曲に合わせてリズムを刻んでいたら隣にいた友人に笑いながら止められたっけ。中学生ぐらいの笑いのツボって、よくわかんないよね。

なんてことを考えながら、今日も1人会議。

基本、暑すぎるのも寒すぎるのも苦手で、夏はヘロヘロ。冬はガタガタ震えながら通勤する私に「自転車で来たら?」笑いながら、上司は何度も言うけれど、頑なに徒歩通勤を続けている。それはやっぱり、この時間が好きだから。


授業が終わるのが22時だから、それから掃除したり、質問受けたりしてたら、校舎を出るのは23時頃。ほとんど人気のなくなった街をのんびりと帰っていく。

雨が上がったからだろうか。それとも涼しい夜だからだろうか。いつもより少し多い人たちを横目に、今日のことを思い出す。


・・・。


珍しく何も浮かばない。いつもなら「もっとこうすればよかった」「なんでこうしてしまったんだろう」そんな反省ばかりが浮かんでくるのに、今日は何も出てこない。

代わりに「準備時間は短かったのに、ちゃんと授業できた」「生徒たちに答えさせるのにも、慣れてきた」そんなよかったことばかりが浮かぶ。「そういえば、他の先生とも自然と話せたね」「いつもはあまり話さない生徒とも話ができた」

そんな自分がなんだか気持ち悪くて、つい笑ってしまった。


「まあ、たまにはこんな日もいいか」

いつも改善点ばかり探してしまう私は自分をほめるのが苦手だ。自己分析の自分の長所なんて、短所の4分の1くらいしか出てこない。けど、たまにはこんな風にほめてあげないと、自信をなくして、やさぐれてしまう。きっと、今日はとことん自分をほめる日なのかも。

食べたいなあと思って入ったコンビニにあったアイスの実をほおばりながら、そんなことを思っている。やっぱり、そんな自分がほんの少し気持ち悪くて笑ってしまう。そんな今日。


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