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日本語の「そうですね」ってどういう意味ですか?
昨夜、日本語を勉強したいという、フィリピンの女性とオリエンテーションのクラスを行いました。
彼女は、クアラルンプールに住んでいて、日本人男性の彼がいるそうです。
日本語を学ぶ理由
オリエンテーションのクラスでは、まずは、なぜ日本語を勉強したいのかを尋ねます。
彼女はまったく日本語がわからずに、Youtube や Duolingo などのアプリでも勉強したことがないそうです。
仕事や休みのタイミングも彼とは違うようで、すれ違いが多くて困り、日本語を勉強したいとのこと。なかなか切実ですよね
同感…
話を進めていく中で、この1カ月は、彼女は彼と日本のニュースを見る機会が多かったという話になり、彼女曰く「日本のニュースは同じことの繰り返し」だという感想がありました。
たしかに、私も、日本帰国中には珍しくテレビを見る機会が増え、ニュースを見る機会もありましたが、同じ感想をいだきました。
見る時間帯で、視聴者層が違うからだと思いますが、少々うるさくは感じ、工夫のなさも感じ取れました…
これについては、うちの奥さんも同じ感想を以前からもらしてますね。
「そうですね」ってどういう意味ですか?
そして「そうですね」というフレーズがたびたび出ていることに気づいたそうです。
彼女は「そうですね」の意味はもちろん知らず、頻繁に出てくるため、「数字」や「お金」に関する言葉だと思ったそうです。
彼は、オリンピックニュースに没頭しているため、申し訳なくて「そうですね」の意味を聞けなかったそうです。
言葉の奥深さ
頻繁に出てくる言葉のため「数字」や「お金」に関わる言葉だと考えた、という話を聞いて、あらためて「言葉」の奥深さを痛感しました。
おそらく、言語によって、民族によって、文化によって「多用される言葉や単語」は違ってくることでしょう。
40分くらいのフリーのオリエンテーションクラスを終えてからも、言葉の深遠さ、そして、その言葉を教えているということの重要性を、強く深く考えました。
日本のコミュニケーションスタイル
「そうですね」という言葉には、日本独特のコミュニケーションスタイルが強く表れていると思います。
まずは「そうですね」と言って、相手の言葉に耳を傾けている、「しっかりと聞いていますよ」ということを示します。
この際には、同意も相違も示していません。
ここには、日本の「和を大切にする文化」や「空気を読む文化」が象徴されています。
そして、例えば、会議で意見が分かれた場合でも、すぐに反論するのではなく、「そうですね」と聞いていることを示し、それから自分の意見、ときには反対意見を述べることで、対立を避けながら話し合いを進めることができます。
このような調和重視のコミュニケーションは、日本社会の基盤となっている価値観の一部でしょう。
note を調べてみたら、「あみきん」さんが、同じように「そうですね」という言葉について考察されています。非常に面白いので、ぜひこちらもご覧ください。
文化や価値観も伝える
「そうですね」という言葉には、日本語の奥深さや、日本人がどのようにして他者と調和を保ちながらコミュニケーションをとっているのかが垣間見えます。
外国の方にとっては、戸惑いは当然あるでしょうが、日本語や日本文化をより深く理解するためには重要なステップとなるでしょう。
日本語を教えるということは、このような日本文化や価値観、言葉を使ってのコミュニケーションの大切さを教えるということなんですね。
あらためて、日本語を教えることに、しっかりと心を尽くしていきたいと強く思いました。