見出し画像

マレーシアの67回目の誕生日

8月31日は、マレーシアの前身であるマラヤ連邦(現マレーシアのマレー半島の部分)が、1957年8月31日に、イギリスから独立した日です。
そのため「独立記念日」、マレー語で「ムルデカ Merdeka」、あるいは英語で「ナショナルデー」と呼ばれます。
この日、マレーシアはイギリスの植民地支配から完全に、そして正式に離脱して、独立を果たしました。
今年は67回目の記念日で、間もなく「独立記念日」を迎えるマレーシアでは、そこここに国旗が掲げられていて、お祝いムードが高まっています。

最も大事な国民の祝日

8月31日の独立記念日は、マレーシア全国で盛大に祝われ、国民にとって最も重要な日です。
多くのマレーシア人にとって、独立記念日は自国の独立と統一への誇りを象徴するもので、首都機能のある「プトラジャヤ」やクアラルンプールをはじめとする主要都市では、軍隊や警察などによるパレードや花火大会などが行われ、マレーシア国旗である「ジャルル・ゲミラン」が至る所で掲げられます。

国旗の意味

マレーシアの国旗は「Jalur Gemilang」と呼ばれ、 マレー語では『栄光のストライプ』という意味になります。
14本ある横縞のストライプは、13の州と連邦直轄地を意味していて、赤は勇気と力を、白は純潔と正義を表しています。
左上にある月と星はイスラム教を象徴しています。
アメリカの国旗によく似ていることでもご存じの方も多いでしょう。
国旗が「ジャルル・ゲミラン」という名前を持つようになったのは1997年で、当時のマハティール首相によって提案されました。
「輝くストライプ」と称されることで、マレーシアの進歩と発展、そして国民の誇りと尊厳を示す意図が込められていて、マレーシアの多様性、統一、そして未来への希望を表現しており、国民にとって誇り高い象徴となっています。

2つの独立

マレーシアには、もう一つの「独立」を祝う日があります。それが「マレーシア・デイ」で、毎年9月16日です。
これは、1963年9月16日に、サバ州、サラワク州、シンガポールがイギリスから独立して、すでに成立していた「マラヤ連邦」に加わることで、「マレーシア」という国ができたのです。
マレーシアが建国されてから2年後の1965年には、マレーシアから分離独立する形でシンガポールが建国され、現在に至っています。
つまり、マレーシアは2回の独立を経験していることになり、「ナショナル・デイ」と「マレーシア・デイ」は国民の重要な祝日になっています。
サバ州やサラワク州では、「マレーシア・デイ」の方が重要視されています。

若い世代の意識

若い世代にとっては、独立記念日は、マレーシアの歴史的な出来事として以上に、国民の団結を再確認する日と捉えられることが多いようです。
SNSなどでは、若者たちが「#MerdekaDay」などのハッシュタグを使って、自国に対する誇りや希望を表現する投稿が多く見られます。
特に、近年の多民族・多文化共存社会における政治的・社会的な課題に対する意識が高まっている中で、「独立記念日」と「マレーシア・デイ」がもつ意味はより広がりを見せています。

自分を見つめ直す日に

日本では、「建国記念の日」の意義が近年薄れつつあるように感じられます。これは、日本社会の変化や価値観の多様化を反映しているのでしょう。
でも、この数十年、シンガポールとマレーシアで暮らしていて、独立記念日の意義を肌身で感じている者からすると、この日は国家の成立や発展を考える良い機会であり、改めてその意義を再認識することが必要ではないかと感じています。
社会が多様化しても、国の歴史と成り立ちを理解し、未来への発展を考えることは重要でしょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?