『プロフェッショナル』ということ
昨日、2021年秋に開幕の女子サッカーのプロリーグに参入することの出来る11チームが発表されましたね。日本の女子サッカーがまた新たな大きな一歩を踏み出そうとしている今、何を考えどう行動するか、私自身大きな壁と、それでも確かに見える微かな光の中にいる気持ちです。
私はここ数ヶ月、コロナで状況が変わり、沢山の変化を経験しながら自分の気持ちと向き合うのにとても時間をかけています。
今回のnoteは、
日本のなでしこリーグでプレーしていた頃に心掛けていた「プロ」というものと、オーストラリアに行ってプレーして感じた「プロ」というものについて書いていきます。
まず、前提に、日本の女子サッカーのトップリーグである”なでしこリーグ”はプロリーグではありません。選手のほとんどはスポンサー様や地域の企業で働きながら、サッカーと両立しています。(チームによって複数名のプロ契約選手が在籍しています。)
なでしこリーグでのプロ意識
私が日本のなでしこリーグに所属していた時の「プロ」についての意識していたことを書いていきます。
(ここで『プロ』という言葉を使うのが正しいのかは疑問に感じますが、一応日本の女子サッカーのトップリーグという事で、自分自身が意識し、追い求めたプロフェッショナルというものです。)
私が所属したなでしこリーグのチームは全3チームで
▶︎「日テレ・ベレーザ」(現:日テレ東京ヴェルディベレーザ)
▶︎「伊賀FCくノ一」
▶︎「岡山湯郷Belle」です。
ここで共通して意識していた事は
■試合を観に足を運んでくださった皆様がお金(入場料など)を払って見にきてくれている以上、私達はそれ以上の価値を提供する責任がある
■自分達のサッカーを観てもらい、感動や勇気や元気を与えられる選手になる事
これらは自分自身がなでしこリーグに所属していた時に常に意識していたことです。観に来て下さるサポーターの方々やファンのみなさんに対してしっかりとサッカー選手としてプレーで価値を見出し、感動や楽しさを伝えていきたいという想いです。
サッカー選手としての技術、戦術、メンタリティを含め90分の試合の中、もしくはファンサービスの時間を含め、実際に見える場、会える場で自分を思いっきり表現するという事を意識していました。
そして、応援してくださった方々に対してのファンサービスやサイン会などの機会で自分がどんな人なのかを知って頂けたり、会話をする事で感謝を伝える事が出来たりする時間は丁寧に過ごそうと意識した事のひとつです。
オーストラリアで気付いたプロ
私がオーストラリアのリーグに所属して、自分の目で見て経験出来た事や、気付きというものは本当に沢山の場面でありました。
その中でも1番と言っていいくらい印象的だったのが、
▶︎選手自身が自分自身をブランディングしている
▶︎選手自身がスポーツビジネスの中にいる
という事です。
もちろん、サッカー選手としてサッカーのスキルやトレーニングは大前提でありながら、サッカー×〇〇という“自分というブランド”を持っているように感じました。
私自身がオーストラリアのリーグに所属し気付いたプロフェッショナル、そして意識した事は、(日本で意識し追い求めた事は継続しながらの気付き、意識です。)
■自分自身をブランディングする事
■サッカー選手×〇〇
■自分自身の価値を最大限に高める
■社会貢献
■外国人枠という事
オーストラリアの選手に限らず世界のアスリートがSNSを戦略的にその人らしさというものを存分に知ってもらえるような動画や画像の投稿もとても多くみられました。
現在ではInstagramでスポーツ関連のアカウントをフォローしている人は4億人以上いると言われているそうです。
スポーツ好き利用者は1人あたり8人以上のアスリート、平均で3カ国のアカウントをフォローしているというデータもあります。
ひとりひとりのユニークさ、好きな事、一貫性のある投稿をSNSで発信し、自身の価値を高める事でアスリートとして最大限に活躍の場を広めていっていることが大きな違いのひとつであると感じました。
それぞれが個人スポンサーを獲得したりパートナーシップを結び選手自身がブランドのように広告、宣伝、メディアへ積極的に向き合う事でスポーツの人気も社会を巻き込む力も大きいのではないかと感じました。
そしてなによりアスリートが力強く発言するSNSや言動はとても印象的で信頼度も高く、共感を呼ぶ力も説得力もあるのではないかなと感じることもありました。
SNSの戦略に関しては、上記にも書いたように、選手それぞれが"自分らしさ"を表現し、積極的に発信しているのは一目瞭然でした。
現役選手でありながら、アスリートの価値を最大限に高める事でサッカー×◯◯ という強みを持つことの必要性を感じました。
サッカー界の中だけに留まらず社会へそして世界へ目を向けながら、アスリートの努力や行動力、パワーを活かしていくことで、これまでの経験が社会への貢献に繋がっていくのではないかと考えています。
ここからは少しサッカーの話をさせてください。
▶︎【外国人選手枠】ということ。
昨年のシーズン中に危機感を覚えた出来事がありました。
シーズン途中に監督が交代した時です。
私はチームに2つしかない外国人選手枠を埋めていたので、監督交代と共に、その監督に必須である存在として認められる必要がありました。
それはサッカーのプレーは大前提で、チームに対しての結果や振る舞い、全てにおいて。
監督が変わる前も意識はしていましたが、チームにとって私は外国人スケットのようなもので、結果が求められチームを勝たせられる存在でなければいけないということは常に心の中で意識しました。
なかなか結果が出ない時期もあり、その時は苦しく情けない気持ちにもなり、それこそ結果の出ないことで危機感もありました。
しかし、今思えば、英語も片言ながらに仲間とコミュニケーションをとり(伝わっているかはわからないけど)、必死でチームの勝ち点を追い求めプレーで気持ちを見せ続けることでチームメイトからの信頼は感じれていたように思います。
監督の求めるサッカースタイルに合わせつつも、自分自身の強みを最大限に表現する事、チームメイトからの信頼を得れたことがシーズン通じて大きな経験に繋がりました。
外国人選手枠の難しさや選手としての危機感はオーストラリアでプロ選手としての経験からの大きな学びでもありました。
来年の秋からはWEリーグ(女子サッカーのプロリーグ)が開幕します。
世界との差を感じている今、日本の女子サッカーが変わろうとしている今、選手自身やチームそれぞれがどのような取り組みや挑戦をしていくのか、そして自分自身が社会や世界に対してどんな貢献をしていけるのか、価値を高めていけるのか、自分自身の足元を見つめ、一つ一つ丁寧に時間を使っていきたいと思っています。
子供達が『将来WEリーガーになりたい』という夢を抱ける場所になるか否かは、選手一人ひとりのプロ意識、チームを作る立場のプロフェッショナル、そしてなくてはならない応援してくださるファン・サポーター様のお力添えあっての事だと思います。一人一人の小さな力が重なることで大きなをモノを作り上げていけると信じて、私自身まだまだ微力ではありますが謙虚な気持ちと感謝の気持ちを持ちながら、チャレンジしていきたいと思っています。新しく日本の女子サッカーに歴史が作られていく瞬間をとてもわくわくしています。
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました。
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