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ショーロク!! 7月前半ー8

Aブロック開始

ここからは実況を買って出たテッつんのセリフ多めでお送りする。
ときどき補足説明を入れるが、長くならないよう気をつけるので、気楽に楽しんでほしい。

「さあ、始まりました!ナカショー最強伝説!
実況は私、3組のスポーツ新聞こと、小沢哲司が担当します」

テッつーん! という掛け声がちらほら。

「そして、実況席には解説として1組のケンカ王、鍋山力也さん」

「よろしくお願いします」

おお~!ナベや~ん!と、掛け声と拍手。
ちなみにナベやんは学年ではたぶんケンカ最強の一人。この時期は運悪く右手首を骨折していたのだ。

「さらに、3組の頭脳、黒川恵一さんにもお越しいただきました」

「やるからにはちゃんと解説します」

マグロ~!?なんでやー!?との声多数。
何を隠そう、オレたちが推薦したのだ。
女子部屋忍び込み勃起事件以来、奴への注目度はうなぎのぼりだったので、よい人選だと思った。

「さあ、さっそくトーナメント表に従って試合を進めていきましょう」

「すごいですね、選手名だけだと誰が誰だかわかりませんねえ」とナベやん。

すっかりリングアナ気取りのキタンが最初の二人を呼び込んだ。
「赤コーナー、アントニオ・バーバーちゃん!!」2組の馬場園だ。

「青コーナー、ブルーザー・サトチン~!!」言うまでもなくサトチンだ。
ブルーザーブロディを模して、チェーン代わりに浴衣の紐帯を振り回しながら『ハウッ!ハウッ!』と吠えて入場してきた。俄然盛り上がる観客席。なんだかんだで皆プロレスの洗礼を浴びた世代なのだ。

「さあ、試合開始です。おっとサトチン選手、チェーン(浴衣のひも)でババの首を絞めにかかりました」

「チョーク!!ワン、ツー、スリ…」
急にレフェリーを買って出る奴がいるのもこういう遊びのいいところだ。1組のモブキャラが務めてくれた。

「さあ、ババも怒りました、怒りのババチョップです」

「おお、痛くなさそうですが、サトチン、効いてますね」

「よろけるサトチン、ババ間髪入れずに10文キーック!!からの・・・コブラ(ツイスト)?ですかね?」

「もたもたしてますが、どうも卍(固め)を狙っているようですね」

「おおっと、サトチンから手ほどきを受けつつ、卍が完成しました!これはサトチン、苦しいぞ!」

「自分からかかりにいったんですけどねえ」

「ギブアップ寸前か!?いや、ここでサトチン、体重を馬場に浴びせかけた!」

「うまい!さすがインテリジェント・モンスターですね!」
この解説はマグロだ。意外とプロレス知識も豊富な奴なのだ。ちょっと見直した。

「そのままカウント、ワン・ツー…スリー!!勝者はブルーザー・サトチンです!」
「グラウンドコブラならぬ、グラウンド卍でしたね。サトチン選手、うまかったです」とマグロ。なんだかんだでノリノリだ。

実際はもう少し長かったし、終わったあともアピールなどでもっと盛り上がったのだが、時短のため、どんどん先に進む。
リングアナ、キタンが再び登場だ。

「続きまして第2試合、赤コーナー、アゲ・テン~カワ~!!」1組の銭湯屋の息子、アゲちゃんこと、天河秀樹だ。

「青コーナー、ヤマン・ウォーリアー~ッ!!」言うまでもなく、3組のケンカ1番、ヤマンだ。
ずっと昔、オレとはガチ喧嘩でしばらく抗争していたし、若干エキサイトしてごっこを離れてしまうときがあるので、こういうイベントには不向きなのだが、今回はどうだろうか。オレは少し心配していた。

カーン(誰かの口ゴング)

「さあ、ゴングとともにアゲテンがタックルだ。ヤマン・ウォーリアー、これを平然と受け止める」

「身長では圧倒的にヤマンが有利ですねえ」

「おおっとヤマン・ウォーリアーがアゲテンを抱えあげた!パワーボムのような形だ!」以下、全部テッつんの実況。
「布団のリングが沈んでアゲテンが視界から消えたぞ」
「そして、そのままボディプレス!カウントは…1,2,3!!」
「ヤマン・ウォーリアー、難なく初戦を突破しました」

「どうもアゲテン選手が負けに行った感じに見えたんだけど…」
と、一応解説のマグロがぼそりと言った。
誰も聞いてなかったが、オレも同意見だ。

たぶん、アゲちゃん的に、この後の時間のことや、ヤマンの性格を考えて早めに試合を終わらせてくれたのだろう。なかなか大人な奴である。伊達に風呂屋の番台でババアの裸を見まくっているわけではなさそうだ、よう分からんが。

やばい、このペースだと無駄に長くなる。
Aブロックの残り試合はさくさくと結果だけ伝える。

3試合目、大野ラブVSロビンマスカラスは1組同士の対決。大野ラブこと、1組イチの大デブ(ブーヤンの1.5倍)、南信二(みなみしんじ)が勝利。こいつは小6にして、80キロ越えの巨漢だ。

4試合目、3組同士の対決、ザ・たかしはケンカ番付を作るのを生きがいにしている真田隆、チャーシュー・力(ちから)は3組の影ボス、オックンだ。オックンの柔道殺法がさく裂(三角締め)でチャーシュー力の勝利。たかしは普通に悔しがっていた。

次はBブロックだ。オレも出番がある。
どうしよう、負けるべきか、勝つべきか、悩む・・・

続く・・・

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makuta-takuma
いつか投稿がたまったら電子書籍化したいなあ。どなたかにイラストか題字など提供していただけたら、めちゃくちゃ嬉しいな。note始めてよかったって思いたい!!