ショーロク!! 5月ー1
5月 絶望の5月。復活の呪文は役立たずで行事も何だかなあな件
1.5月の6年3組
校庭に植えられた薔薇が一斉に咲き始めたら、それは4月の終わりの合図だ。
授業が始まって1か月もすると、クラスのメンバーもいよいよそれぞれのグループに落ち着いてきた。
どうやら女子も5グループほどに分かれて仲良くやっているようだ。
クラスで女子同士が揉めだすと、男子の力ではどうすることもできなくなってしまう。あの雰囲気は本当に苦手なので、このクラスの女子は表面上仲良くしてくれているだけ、まだいい方だと思った。でも、グループごとではそれぞれの悪口を笑顔で言い合ってるんだから、正直怖い。
うちのクラスにはあまり可愛い子はいない。ちょっと残念な気もするが、アイドルみたいな可愛い子がいて、男子がフルパワーで馬鹿がやれなくなるよりよほどマシだと思った。チンコを出して逆立ちしながら追いかけられる位の女子がちょうどいいのだ。
まったく男子のフル馬鹿と言えばフルチンで歩き回ると相場が決まっていて、同じ属性として芸がないなあと幻滅してしまうが、温かくなると昼休みごとにフルチンマンが各階をウロウロし始めるのは見ていて飽きないから、自分もまだまだ子供だということなのだろうか。
まだ5月だというのにキタンなどは早速半ズボンの隙間からチンポを出してフライングをしたりしていた。オレはもともとプール開きの日にノリで皆と全裸踊りをする位だった。正直今年はもう6年生だし出来ればやりたくないという気持ちも芽生えだしていた。とはいえ要求があればすることは想像に難くなかったが・・・
とにかく、このフルチンに対する考えもそうだが、最近自分が楽しいと感じる『アホなこと』の質が変化しているようだ。
たとえば、去年の夏に流行った、屋上げろダーツは今年は絶対にしたくないと思っている。
屋上げろダーツとは、給食のあとで牛乳を持ってみんなで屋上に行って、一気飲みをしてから思い切り背中をたたいて盛大にげろを吐くという遊びだ。
最初は屋上には行かず、教室内でげろを吐くだけで楽しかったが、昼休みの掃除が面倒なので(女子にも毎回盛大に怒られた)誰かが屋上から下に向かって吐こうと言い出した。
それで、しばらく上から吐いていたのだが、やがて校長が育てている観葉植物の植木鉢が的となった。
助走をつけてもっと遠くに飛ばすようにに吐けば、小学校の柵を超えてスクールゾーンの歩道まで到達するかも知れないとみんなで向上心を高めていた矢先、校長にげろを吐く場面を見つかり、当時のオレたちはこっぴどく怒られたのだった。
禁止されたときは皆欲求不満で文句たらたらだったが、今思い出すと、何であんなことが流行ったのかさっぱり分からない。さっぱり分からなくなってしまったあたりが、オレの成長なんだろうか。どうでもいいけど。