高レベルの授業をあきらめた私が見出した学習法と、晴れない想い。
私、勉強についてはかなりコンプレックスがありまして。
記事を発表し、本を出版し、メディア出演してみて、人からの印象って
「なんか頭良さそう」
らしいんです。
実際に自分が頭いいのかどうかっていうのは周りの皆さんが判断することなのでそこはお任せしたいと思います。「いや、西尾さん頭いいっすよ」っていうリアクション待ちじゃないですからね。
これまでの経歴を見ているのか、世に出している私の文や声からそう判断しているのかはわからないです。そこはその方次第ですから。
そういってもらえるのは嬉しいことです。だって、この人頭悪そうって思われるよりはそっちの方が絶対にいいですからね。
喋り方が林先生みたいって言われることもありますが、これは単に学習塾で働いていたことが影響していると思います。
で。
自己評価なんですけどね、私勉強できないし頭もそんなに良くはないと思っています。
これには理由がありまして。
小学校5年生の頃に塾に行っていた時のことなんです。
私の親しい友人が中学受験するからという理由で塾に行くという話を母にしたところ、その足で登戸駅前のその塾に私を連れていきまして、その場で入塾試験を受けさせられました。
なんでこんなことをされたのかと言えば、あまりに家で勉強しない兄に「弟が行っているんだから」という理由を付けて兄をその塾に通わせるということが理由だったと後年聞かされました。
この塾というのが、中学受験向けのかなりハードな授業をするところだったんですね。
当時の私は学校の授業では分からないところなんて一切なかったので正直自信はあったんです。
ただ、バキバキに折られました。
もう全然分からないのですよ。
中学受験の内容ってまるっきり学校の授業と違いますからね。
で、しかも私の場合は兄のバーターですから、中学受験なんかしない訳です。ですから、とりあえず学校の授業でやる内容を抑えておけばいい。
それくらいなら楽勝ですから、学校についていけるくらいのことを身に着ける。中学受験の難解な内容は切る。
そういう割り切りをしていたんです。
ただ、この割り切り癖っていうのがどうにも抜けなくて、中学に入っても学校の授業は抑える、学校でやらないようなトップレベルの内容は切り捨てるという方法を取り続けてしまいました。
本当はレベルの高い内容を時間を掛けずに理解する方法っていうのをこの時期に身に着けておきたかったんですけど、中学卒業までに出来なかった。
高校に入って大学付属の学校に入った後でもやっぱり基礎は出来る。でもそこから上っていうのがどうしても分からない。
結局私が身に着けたのは、教科書丸暗記。
これしかなかったんです。
理解をするのにどれだけ時間が掛かるか分からないのだとしたら、理屈抜きにして覚えてしまえばいい。
高校の頃にこれを編み出して、テスト前の1か月は全ての教科で教科書を暗記するだけのために生きる変態になりました。
ドラえもんのアイテムで「暗記パン」ってあるらしいじゃないですか。当時私はあれを持っている男だと言われていました。
時間に限りある中で成果を残すためには、短期集中型で詰め込みまくる。これだと理屈とかあんまり関係なくて、理解力が及ばなくてもどうにか出来る。
どうやら私はこのやり方がかなり合っていたみたいで、高校では中間試験で400人中総合1位を獲りました。大学でろくに勉強せずに4年で中退した父が流石に驚いていました。
大学でも就職しても英語やIT関連の勉強を常にしなければならない状況でしたがこれで素早く結果を残せました。
だから、学習法って言えばもう短期集中丸暗記。
これやると周りも評価してくれるんですよ。どうも尋常じゃないレベルで覚えちゃうらしくて、嬉しくなって、暗記をエスカレートさせる。
ただ。
困ってはいないんですけど、暗記に頼らずにちゃんと理解するための学習法っていうのは身に着けたいとも思うんです。
私がやっているのは結局、自分向きの対処策なんですよね。それは私自身が一番よく分かっています。
理解をするということに対して多大なコンプレックスと苦手意識が残っているために、対処であったはずのことが恒久対策になってここまで来てしまった。
対処策が自分を助け、ここまでスキルを身に付けさせてはくれている。周りもそんな自分を評価している。
だけど、霧が晴れない。
正しく理解するための勉強が出来ていなかったために、中高の頃に自分の可能性に蓋をして、向いた方法で向いた可能性に向かってしまった。
多分その経緯があるからこそ、頭がいいとか評価されても素直に受け入れられないんでしょうね。自分が出来ないことを知っているので。
もしあの頃、理解することをあきらめなかったとしたらどうだったんだろうとも思います。
ただ、今の自分にとって必要なのって勉強じゃないんですよね。44歳にもなるとこれまでの経験や知識をどれだけアウトプットできるかだと感じています。
だから、払拭する機会も必要性もあまり無いんです。
勉強によって挫折して、勉強法によって救われた。
まぁこのコンプレックスと寄り添って生きて、来世で晴らせばいいのかなとも思うんですよ。
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