ストークス抄訳「クーフランの死」の翻訳に関してあれそれ①
1. 各固有名詞の読みについて
訳者(枕屋痛子)が調べられる範囲内、あるいは理解できた範囲内において、出来る限り原語の音にちかい表現を採択しました。また判断がつかなかったものなどについては一部、ローズマリー・サトクリフ著、灰島かり氏訳の「炎の戦士クーフリン」を参考にしました。それでも至らないものは私の判断で訳していますが、後にわかりしだい訂正するかと思います。
アイルランド語の発音については、マーズさんの
「アイルランド語の発音とアイルランドの異教的伝承の固有名詞表記について」
https://note.mu/p_pakira/n/ncdc7fbbe4d25?magazine_key=mb8d275007058
の記事に詳しく、またマーズさんからはその他たくさんのアドバイスを頂きました。
マーズさんのご助力がなければ、拙訳はさらに荒く、不正確な翻訳になっていたと思います。
この場を借りて改めましてお礼を申し上げます。
マーズさんは「ブリクリウの饗宴」を翻訳されています。
https://note.mu/p_pakira/n/n36e40efb0b93?magazine_key=mb8d275007058
「ブリクリウの饗宴」はフェルグス、メズヴ(メイヴ)など某ゲームでも出てくる人物も登場し、また後半部分には「ガウェインと緑の騎士」のモデルになったともいわれるエピソードがあります。
今回のクーフランの死にかかわる所では、『マハの灰色』が初めてクーフランに出会った場所に一度戻るくだりがありますが、この『マハの灰色』との出会い「ブリクリウの饗宴」に記されています。
https://note.mu/p_pakira/n/n203906f981b3
個人的にすきなエピソードはメズヴ(メイヴ)がめちゃくちゃにかっこよく英雄の裁定を下すこのあたりのくだりです。
https://note.mu/p_pakira/n/n8d47f761ec68
その他雑感
元々、本来の目的は、19世紀のレディ・グレゴリーの「ムルセヴネのクーフリン」におけるクーフランの死とレンスターの書における彼の死を比べることにありました。
が、予想通り、時間がかかりまして、まだそちらの方は何も手をつけておりません。
が、ひとこと分かっている範囲で言及するならば、レンスターの書では、その最後の段落はかなりキリスト教の色が濃いものですが、アイルランド独立運動前夜のグレゴリー版では最後のクーフランが歌うのはシイの歌であるということです。
どちらが正しいというものでもないでしょうが、この違いが個人的にはとてもひっかかっています。
素人翻訳ですので、後日追記や修正などあるとおもいますが、またそれはその時に記載します。