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プラグマティズムの最良の入門書2冊の紹介
プラグマティズムについての基本的な理解としてちゃんとした理解が得られる本を2冊紹介する。あとは、Charles Sanders Peirceの有名な論文やWilliam JamesやJohn Deweyなどの原典を読む必要あり。
(1)リチャード・バーンスタイン著『プラグマティズム的転回 The Pragmatic Turn』(2010)
この本はバーンスタイン(Richard J. Bernstein, 1932—)のある種の集大成のような本で、プラグマティズムについて知るには一番良い本である。この本は、プラグマティズム的な考え方が実は20世紀の底を貫いていて、それが隠れていたけれども、20世紀の後半からいよいよ明確になってきたということについて書いている。そこにおいてカントやヘーゲルがどういう形で現代哲学に寄与しているのかということを、パース、デューイ、ジェームズ、セラーズ、マクダウェル、ブランダムという人たちの議論を紹介しながら述べている。バーンスタインは、細かい議論をしないという点はマイナスだが、難解な思想を持っている哲学者たちの考えを非常に分かりやすく明快に説明するという点で非常に有益である。
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