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🌏🌀気候危機・気候変動に関する資料や文献、署名や日々のニュース記事紹介🌏🌀(随時更新)

学習素材①:こちらは2022年にエジプトで開かれたCOP27に参加した若者たち制作のドキュメンタリーで、素晴らしいシリーズ。気候危機がどうして起きたか、どうして解決が阻害されているかがよく分かる。

気候危機に最も責任を有するいわゆる「先進諸国」ではその責任の程度にまったく見合わないレベルの、気候危機の政治課題としての優先度の低さが指摘できるが、これはどこまでも企業の論理に侵されてしまっていることの証左である。経済発展の名の下に自然環境や資源を使い尽くしてきた企業活動や戦争・軍事化による地球への破壊の凄まじさがほとんど認識されていない。

学習素材②:江守正多さんの重要論説「組織的な温暖化懐疑論・否定論にご用心」(2020/03/10)。このような専門家の的確な批判こそ最も必要なものである。懐疑の商人merchants of doubtたちによるプロパガンダを無力化するために。本当の危機の大きさがよりよく理解されるために。事柄の真の意味を考えるためには、繰り返し問題のありかを知らせる努力がなされることが必要である。今のような情報のみで、それに伴う思考反省が追い付いていないうえに、それを妨げる大きな力が働いている時代には。

学習素材③: 草の根の環境運動活動家に贈られ、「環境分野のノーベル賞」とも言われるゴールドマン環境賞の2021年の受賞者に選ばれた平田仁子(ひらた・きみこ)さんが代表理事を務める一般社団法人Climate Integrateが発表した新しいドキュメント「気候変動の今、これからー 最新の科学からのメッセージ ー」(08/02/2022)。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第1~第3作業部会までの報告書の内容などが分かりやすいビジュアル付きでまとめられている。気候変動問題に関わる人、必読の文書です。

学習素材④: 2022年2月12日に開催された平田仁子さん(一般社団法人 Climate Integrate 代表理事)の講演動画「今、私たちは気候変動にどう立ち向かうのか~人類の未来がかかる2030年~」

参考)現実となった気候危機に日本はどう対応すべきか~ゴールドマン環境賞を受賞した平田仁子さんに聞く 平田仁子(「気候ネットワーク」国際ディレクター・理事)

https://imidas.jp/jijikaitai/a-40-144-21-11-g865

学習素材⑤:平田仁子さん(一般社団法人 Climate Integrate 代表理事)の記事「Climate Integrate の2023年を振り返る」

学習素材⑥:IMF(国際通貨基金)が発表したレポート「自然界が示す気候変動の解決法  クジラ保護政策が温室効果ガスと地球温暖化の抑制につながる可能性。」によると、大気中の酸素の総量の半分以上は植物性プランクトンが生み出してまた二酸化炭素を取りこむ、クジラはその植物プランクトンの発生に大いに貢献している。したがってクジラの数は気候危機の回避に大いに役立つ。他方、軍事的行動(訓練、戦闘など)はクジラの量を減らし、海洋の汚染を悪化させ、プランクトンの量の減少にもつながる。平時であれ戦争時であれ軍事活動は気候危機を悪化させる。

https://www.imf.org/external/japanese/pubs/ft/fandd/2019/12/pdf/Chami.pdf

学習素材⑦:日本のどれだけの人が西アフリカにギニアビサウという小国があることを知っているでしょうか。地図上で指し示せる人がどれだけでいるでしょうか? 今、ギニアビサウなど西アフリカの国々では海高まる海面と過去にないような高潮などの被害が急増しています。背景には気候危機があります。住み慣れた家が破壊されて移住を迫られる人や洪水で命を落とす人も出ています。
「人類は海面上昇との闘いに負けつつある」と言ったのは世界気象機関(WMO)のターラス前事務局長でした。いわゆる「先進国」が大量に排出した温室効果ガスが引き起こした気候危機で、ほとんど排出をしていない最貧国の人々が最初に最も大きな被害を受けています。こうした状況の中で「気候正義」が問われています。目先のコスト論にとらわれている「先進国」の人々の想像力の貧困を打開すべく、ギニアビサウの貧困地帯の現実を報せてくれている共同通信編集委員の井田徹治さんの記事(2024年9月29日)をシェアします。

また、こちらは井田徹治さんがギニアビサウについて、世界経済フォーラムのアジェンダサイトに書かれた長めの記事です。「貧者に海が牙をむく〜ギニアビサウの貧村の悲惨な状況は気候正義を確立することの重要性を訴える〜」(2024年10月30日)

◉兼子歩さんのFB投稿(2025/1/12):「日本のニュース番組や情報番組でもLA地域の大規模山火事が問題になっていますが、原因としてトランプのように政敵を個人攻撃することは論外として、おおむね異例の強風、そして気候変動に求められているようです。
しかし、地球規模の気候変動という「主語の大きい」ところに原因が求められることで見えなくなっていることは多いのではないか、と思われてなりません。以下の記事は、カリフォルニアの先住民によって伝統的に行われてきた野焼きが、地域の生態系を豊かにし、しかもそれによって山火事の拡大を防いできたことを紹介しています。

そしてこの野焼きは白人入植者によって禁じられたのですが、つまり、この大火はセトラー・コロニアリズムが引き起こしたものである、ということから目を背けるべきではないということです。
ついでに言えば、(今回の山火事ではないですが)先住民はカリフォルニアの山火事で偏って大きな健康被害を受けてきた、という指摘もあります。土地と生活習慣を奪われ、環境を破壊され、健康被害がつけまわされるという、やるせない矛盾がそこにあります。

ついでに。今放送中の「サンデーモーニング」で、コメンテーターがトランプのことを「何をしでかすかわからない」などとぼかした言い方をしていましたが、そんなに予測不可能でしょうか?
トランプとその支持者たちの行動原理はアメリカ白人男性至上主義だとわかっていれば、トランプの言動には憤慨はしても驚くことは特にないのではないかと思います。
昨今の領土的野心についても、アメリカは19世紀にはカナダ併合を狙っていましたし、パナマはセオドア・ローズヴェルト政権の工作によってニカラグアから独立し、事実上の保護国とされ、運河はアメリカに所有されていました。メキシコにも度々武力をもって干渉したりしました。西半球は俺たちのもの、という白人至上主義・帝国主義的なモンロードクトリンの論理の延長上にあると言えます。
グリーンランドについては、軍事・経済的な利害関心のほかに、近年のアメリカの白人至上主義者たちのあいだでオーディン信仰などの北欧神話ブームや、(史実とは異なり)純粋な白人集団と仮定されたバイキングを崇拝する流れがあり、グリーンランドはその観点から一種の聖地化されているということも、背景にあるでしょう。」

◉ナオミ・クラインは『地球が燃えている』の中で「グリーン・ニューディール政策による力の結集が、私たちを『気候の崖っぷち』から引き戻すことができるかどうかは、今後の社会運動のアクションが最大の決定要因となる」(p.307)と述べている。そして今後の社会運動にとっての「歴史的にも希な過去の重要レッスン」として、1934年のミネアポリスのトラック運転手らの組合「チームスターズ」による労働争議とそれを契機としたミネアポリス市全体のゼネストをあげている。

「フランクリン・D・ルーズベルト大統領がニューディール政策を導入したとき、アメリカが歴史的な労働闘争の真っただ中にあったことを忘れてはならない。1934年にミネアポリスで、チームスターズと呼ばれるトラック運転手の労働組合がストライキを決行し、それがミネアポリス全体のゼネストに発展した。同年には、西海岸の諸港で港湾労働者によるストライキが起こり、83日間の港湾閉鎖が起きた。そして1936年には、ミシガン州フリントで、ゼネラル・モーターズの労働者が40日以上にわたる座り込みストライキを決行した。」(p.307~308)

当時のアメリカの左翼反対派のジェームス・P・キャノンが《The Great Minneapolis Strikes》(偉大なミネアポリスのストライキ)という回想録を書いている。
・The Great Minneapolis Strikes( James Patrick Cannon, 1944)

ナオミ・クラインも、今後のグリーン・ニューディールにとって重要な歴史のレッスンあると位置付ける1934年のミネアポリスの大争議。これを無視して人新世のエコ社会主義は語れまい。また、ミネアポリスはジョージ・フロイドさんが警官に殺された街でもあることを憶えておこう。

・署名To: Brazilian Government
Stand with Indigenous leaders in Brazil

・録画公開:オンライン連続セミナー「気候危機とコロナ危機 新しいシステムを求めて」2020/08/12

・いつの間にか深刻化していた「異常気象」の恐怖 気象災害が「50年間で5倍」に増加(宮地 美陽子)2025.01.09

・【TUFS Today特集】
たふえね×教員:地域の声で紡ぐ世界~環境課題の今~古川高子特任講師(ヨーロッパ近現代史、社会史)インタビュー
現在、世界の大きな課題となっている環境問題。環境保護の思想が現れる背景は時代によって変化しますが、昔から議論の的となり、大きなうねりをおこし、人々を動かしてきました。
環境保護思想が様々な背景や勢力からあらわれ、ときに異なる主張をもつ人々をまとめる原動力となる…あなたもその興味深い系譜に触れてみませんか?
環境系学生サークル「たふえね」が、学生に世界各地域の環境問題について興味関心を持ってもらうことを目的に、各地域の担当教員へのインタビュー企画を立ち上げました。第1弾ではドイツ、オーストリア地域を専門とする古川高子先生にお話を伺い、記事としてまとめましたのでお届けします!

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・スペイン東部を中心に10月末に発生した集中豪雨で、これまでに200人以上の死亡が確認されている。その多くは東部バレンシア州で確認されているが、死者数は今後さらに増えるとみられている。(2024年11月2日)

・続報(2024年11月4日)。怒りが収まらない地元住民「4日遅い!4日遅いよ!」

・京都市・鴨川は濁流に 季節外れの大雨で
2024年11月2日 14:36

京都府内は2日、激しい雨となり、大雨、洪水警報が広い範囲に発表された。京都市内の鴨川は、濁流となった。
 京都地方気象台と府によると、2日午後2時半までの24時間雨量は、南丹市で150ミリ前後、京都市や亀岡市で100ミリ前後に達し、季節外れの大雨となっている。
 鴨川は、茶色い濁流となり、市中心部の四条大橋では通行人が橋の上から写真を撮るなどしていた。

2024年11月2日
京都新聞

・サウジアラビアの砂漠で、ひょうの洪水が起こったそうだ。2024/11/9

・【時事通信】◆ キューバで2回の強い地震 ハリケーンと停電に追い打ち(2024年11月11日18時30分配信)
記事では人的被害は記述されておらず、建物の倒壊なども書かれていない。大きな被害がないことを願う。




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