地方でマーケティングを仕事にする、ということ(2023.6現在)。
みなさん、どうも。桜井です。
先週は熊野古道で地方マーケ合宿を行い、今週も東京・大阪で仕事をしてようやく静岡に戻ってきました。
今週もいろんな人に会って、いろんな人の話を聞いてふと、「ところで私ってどんな仕事してるんだっけ?地方マーケターの仕事内容を具体的に説明するとなんていえばいいんだ?」という感情が芽生えたため、書いてみようと思います。
ちなみに地方マーケターに必要な素養については大﨑さんのnoteがとてもわかりやすくまとめてくれているため、ぜひぜひご覧ください。
一次産業の商品開発
一次産業とは主に「農業・林業・水産業・鉱業」など。私の仕事の3割ほどが一次産業にあたります。
地方は土地が広いゆえ、農地も広いため多くの農作物が収穫できます。さらに海に面している港町は漁業で栄えている(いた)場所も数多くあります。
私自身もJAさんや農業法人さんとの取引も長く、最近ではJAさん・農家さんと共にブロッコリーの新商品開発を行いました。
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またマーケター・ビジネスプロデューサー・クリエイターが結託してApoptosis(アポトーシス)というボトリングティーのブランドをつくりました。
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さまざまな一次産業に相対していますが、ダントツで難しいのがお茶だと思っています。理由はさまざまですが、
急須が自宅にない(文化がなくなってきている)
手間がかかる(ペットボトルで十分)
ホッとする便益がよそにとられている
が主な理由だと感じています。
文化をもう一度つくる、というのはいささか難しいため、「お茶の成分」を活かすのか、「ホッとするひととき」を活かすのか、「お茶の渋み」を活かすのか、など、現状のお茶の要素を分解して切り出して特化させていく、という方法を考えています。これから勝ちパターンを見つけていきます。
研修・教育事業
続いては研修事業です。マーケティングを知りたい、事業にもっとマーケティング思考を実装させていきたいというお客さんと共に「マーケティング思考の型」をレクチャーしています。
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レクチャーではあくまでも型をさわりだけお伝えするだけとなってしまうのですが、まずマーケティング思考のはじめの一歩として伴走しています。
大まかには2日間を通して「バリュープロポジション」と「コンセプトハウス」を明文化することを行なっています。
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才流さんの記事・資料がとてもわかりやすいのでいつも流用しています。この場を借りてお礼を申し上げます!
コンセプトハウスではバリュープロポジション(勝ち筋)をユーザーに伝わりやすいように平易な言葉にしてコンセプトの原型をつくること。この2つのアウトプットをさまざまな事例を紹介しながらワークショップ形式にして進めていきます。
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また昨年より、専門学校(静岡デザイン専門学校)の非常勤講師として、マーケティング・ブランディングの授業を3つほど担当しています。
地方にマーケティング思考を実装させるべく、そしてできるだけ若いころから体系的なマーケティング・ブランディングに馴染んで欲しい!という私の想いから授業を受けもつようにしています。
でも一番大切なこと
直近で携わっている私の仕事(新規事業開発・商品開発、教育・研修事業)をご紹介しましたが、総じて最も大切だと感じていることについて最後にまとめてみたいと思います。
それは「想像力」だと思います。想像力とは相手を思いやる力のことですが、この相手とは、「ユーザー(消費者)」であり「クライアント」であり「仲間(身内)」です。
この時間に連絡したら迷惑かもしれない
長文で送るのでなく、箇条書きでわかりやすく書こう
消費者を無視した自分都合のコンセプトになっているかも
などのように、社内外問わずメッセージを発する際に相手にとってカロリーの必要とするコミュニケーションになっていないか?すんなりと受け取りやすい言葉となっているか?を考えることだと思っています。
マーケターは戦略設計やコンセプト設計、商品開発から広告運用・SNS運用・記事ライティングなどの幅広い業務を請け負いますが、総じて言えるのは設計(つくること)だけではなく、「コミュニケーションデザイン」まで考えなければならないはずです。
「商品・サービス」と「消費者」、「クライアント」と「消費者」、など、二者間のコミュニケーションがより円滑に進むような設計をつくり、実装〜運用することが求められるため、そのためには相手方のことをより深く知る必要があるし、全体最適を常に見なければならないし、どこかでエラーがあれば解消させていかねばなりません。
私の前職の企業理念が「対話と奉仕」だったのですが、マーケターもまさにその通りだと感じています。
戦略脳やマーケティングフレームも必要ではあるのですが、実戦を積めば後からついてきます。大切なのは相手への想像力を持てるかどうか。ここを大切にできるかが地方マーケター(というか全マーケターにとってかも)に必要な素養ではないかと思っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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