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競売物件を買ったあと
僕は不動産業はやっていない
宅建を持っていないし、受けたこともない
建築設計と不動産は切っても切れない関係であることは間違いないのだが、そこには踏み出せなかった
注文住宅の設計としてサラリーマンをしていた時に、大規模分譲地の開発などは携わった
その頃から疑問符を抱いていたのだ
建築や設計は、ものづくりの対価として報酬を乗せて販売する
しかしながら、不動産取引というのは手数料商売である
その取引額が、100円だろうが100億円だろうが、手数料の割合は同じである
だから、世の中には不動産業が溢れているし、土地神話の時代から今まで延々と続いてきた
それが、中古住宅のストック、オフィス床の過剰な投資により、床が余ってきたのだ
これは、20年くらい前からわかっていたこと
この情報時代に取り残されてしまったのが大家さんである
昨日、たまたま通りかかった元事務所店舗を掃除している男性がいたので、「ここは賃貸に出されるんですか?」と問うてみた
話を聞くと、色々と教えてくれたのだ
結論
80歳が投資してきた物件は相続できない
理由についても教えてくれた
この男性84歳なんだかとても元気
海外旅行も行くし、何より旅することが好きらしい
僕が見た物件は、JR新検見川駅から徒歩13分くらいだろうか
土地は30坪ほどで、道路に挟まれた狭小地
ここに立つ軽量鉄骨の二階建ての建物は約20坪ほど
聞けば、その昔競売で落としたそうだ
その土地の価値は、坪50万と言われたそうだ
不動産屋はいい加減だ
なぜ、いい加減と言い切るかというと、それはあくまでも路線価と周辺の売買事例から出しているので、あてにはならない
接道距離や、土地の広さ、古屋があるのかないのか、立て替えた時にはどれくらいの規模の建物が立つのか
そんなことは不動産屋には関係ないのだ
では、なぜ関係ないと言い切れるのか
彼らは、仲介をして手数料をいただく商売である
リスクはないのだ
現に、この競売物件も違法建築であるため使いきれない業態がほとんどであろう
そんな話をしていたら、他にも稲毛駅前にビルを持っていて、弁天に駐車場があってとどんどん出てきたのだ
話を聞くと、この不動産を相続されるよりは現金化して(売却して)現金で相続してほしいと言われたそうだ
これが現実だ
いまや、不動産は負動産である
不動産屋に相談したところで、彼らが買い取るわけでもなく、夢を見るだけ見させて買い手が見つかるまで待ちましょうとこういうわけだ
80代の不動産オーナーに、そんな時間はないのだ
まとめて買ってあげたいところだが、キャッシュはない
知恵はある
銀行に預けるよりは不動産賃貸の方が利回りは全然いい
しかし、借りられない
誰か、一緒にぺんぎん不動産で、オーナーを救いながらまちをリノベーションしてみないか?
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