【解説編】#9「Letter」
# 8で「女友達」をテーマにした詩をあげた流れで、こちらも女友達からの手紙を元に書いたものを。
これは大学になって1年くらい過ぎた頃か?高校だか、もしかしたら中学の時の友達だったかもしれないけれど、近況を記した手紙を貰って、そこから書いた想いです。今だったらメールとかLINEになるのかも知れないけれどその頃はまだそのようなツールがなくて手紙のやり取りというものがあった時代でして。(ここで改めて思ったのですが、「手紙」の事を「Letter」と英語で表現したのは時代がたってもニュアンスを変えずに伝えられている気がしてナイスだったなと。)
これにもうっすらとした元ネタ的なものがあるのですが毎度出てくるユーミン様の「ビュッフェにて」という歌の詞でして。
「ビュッフェにて」は別れた恋人への未練を綴った歌でその別れた恋人が「(わたしと同じように)淋しく暮らしている」ことを願ってるというもの。
わたしがオマージュしたのはその気持ちの部分で。ユーミンの歌詞を聴いて「その気持ちわかるなぁ!」と思った(今もその曲を聴くたびにその共感は変わらないですが)その部分を。
自分が上手く行ってない時、同じように友達とか自分の好きな人も不幸だったらいいなと思う事ってありますよね。
そしてユーミンが書いてるのと同じようにわたしもそんな気持ちを持ってしまった事を「許してね」と。
「ビュッフェにて」でも主人公は別れた恋人に手紙(カード)を送るのですが、おそらくそこには主人公が思ってる本当の気持ちなんて書いてないと思うのです。そのあたりの設定もオマージュです。それから恋人への未練を想いながらの旅に同行してくれてるのが昔の友達で、その友達は「云わなくても知ってる」というあたりの含みも。
まぁあとは高校時代から時がたって(「…そんなにたってしまったのね…」のくだりにて)その頃とはお互いいろんな事がだんだん変わって行ってしまう状況に対する思春期特有の悶々とした日々の気持ちと閉塞感を添えて。といったところです。
~fin