#1「ハーフムーンが見てるから」
真夜中の お出かけ
スキップして はしゃいでみる
わたしがいくらお話しても
誰もわかってくれないけれど
いつも素直にしているだけよ
ハーフムーンが見てるから
だから
それは
許してあげる
真夜中の 駐車場
白と黒の野良犬が わたしを待ち伏せ
わたしはちらりと視線投げ
何気ないフリ
冷たく うきうき 通り過ぎるわ
あなたの車の運転席の
夜露に濡れた窓ガラス
指でなぞった I LOVE YOU
気付かないあなただけど
だけど
それは
許してあげる
一瞬だけ目をかすめた
校舎の窓に映った月
あなたのような大きな人を
映せる鏡など考えなかった
今夜は特別 不思議な夜
世界が2つあるみたい
わたしの無くした半分も
あちらの世界で見てるのね
(1994)