50年前の日本の暮らしっていいなーと思いながら自家製酒仕込み。
一昨日、一泊二日で夫と2人でキャンプに行ってました。
キャンプの目的は遊びに行ったわけでなく、「土地探し。」
私達は今メキシコに土地を持とうか考えています。
今住んでいる街は、標高が高く1年を通して夜は寒くなります。
メキシコって広いので、来たことがない人からすると常夏のイメージが強いと思いますが、日中晴れている時は別として冬は雪こそ降らないけれど結構寒い場所なんです。
去年から私の肺の調子が悪く先月は入院してしまったりもして、実際原因は突き止められてないのですが、標高の低い村に遊びに行くとすぐに体調が戻るので、寒さと気圧の問題かな?なんて思ってます。
いつも出てる空咳が標高1000mくらいまで下ると全く出なくなるんです。
なので今住んでる街は大好きなんですが、私にとって標高が高すぎるので近郊の標高の低い土地を探す事にしました。
去年からいろんなご縁があっていくつか土地を見て回ったり、ここにしよう!と決めた事もあったのですが、いざ!と思うとダメになってしまったり、話が変わってきてしまったりと色々右往左往したりもして、今またまっさらな状態での土地探し中です。
今住んでる町から車で2時間の所に夫の気になる村があって、キャンプはそこを目掛けて行ってきました。
Ojo de agua, そこは水が湧き出ている土地で、村に着くと夢かと思うくらい美しい水がたーっぷり流れていました。
見渡す限りその美しい水で育つさとうきびの畑が広がっていて、小さな家がポツン、ポツンと隣接することなく点在している程度の本当に小さい村。
標高は1000mちょっとなので気候も暖かくて常春系の良い気候。
一泊テントで寝ましたが何もかけなくても良いくらいの暑すぎず寒くもなく丁度良い気温でした。
こういう何もない小さな村の土地探しはとにかく聞き込みあるのみ。
村で見かけたおじさんに土地持ってないか聞いたり、「土地売ってます」の看板を見るごとに車を止めて土地を見せてもらいました。
いくつか見た中で一つだけ気になる土地があったので、現在検討中。
小さな村なので値段も今住んでる街と比べたら何倍も安くて、もうちょっと交渉して安くしてもらえれば私たちの理想的なお値段です。(超低予算!w)
しかし日本って今土地が有り余るほどあって値段も伴ってとっても安いので、日本と比べると安いのか高いのかわからなくなります。
田舎の方だと家付き(そのまま住める状態じゃない家だけど)30万位の広い土地いっぱいあるじゃないですか。
住みたいと思う所と安さはなかなか比例しないのですが、やっぱり生き方ピンキリだよなーと思います。
とっても高い土地や家に住むために、すご〜い働いたりお金を動かす人となり、お金を使うために生きてく人もいれば、
なるべく低コストに家を作って自給力をつけてお金を使わなくていいように生きていく人もいる。
その中間辺りを生きる人もいる。
私は人生を通して生きている間は出来る限り欲しい物は自分で作ってみたい。
物が仕上がる過程に出来る限り携わりたい。
それが土地を持って家を作ったりオフグリッドに暮らしたい理由です。
とにもかくにも良い土地と巡り合えるといいなと思います。。。
土地探しは続きます。
先日こんな記事を見かけました。
『日本が現在なら、
アメリカは5年先を行っています、
オランダが30年先を、
メキシコは50年前です』
「時代」を軸に「発展」と言う観点からみた日本を現在としているんだと思いますが、今暮らしてるメキシコが50年前位の日本なんだとしたら、
それは本当に良い時代だったんだろうなあと思います。
メキシコの「今」は私の目から見て素晴らしい。
日本の軸に合わせた今後50年の「発展」はしなくていいんじゃないか?って個人的には思います。
発展を望む人は発展するために頑張ったらいいと思うからジャッジではないと前置きさせてもらいますが、
あえてこれ以上発展しなくても幸せな人がいることも忘れないで欲しい。
発展が全ての人にとって幸せとは限らないということを知っていて欲しい。
そんなふうに日々思います。
さて今日は驚異の前置きの長さでしたがここからさらに酒仕込みのお話まで続いてしまいますよー。
日本では酒税法という今の時代よくもまあ変わらず在り続ける謎な無茶苦茶な法律が存在していて、
一般家庭での酒造りは違法とされているようです。
世界的に見ると蒸留はダメだけど醸造するのはOKって国が多いみたいですが、
誰に危害を加えるわけでもない個人の自由をそこまで規制し続ける日はいつまで続くのでしょうか。自分で飲むものくらい自分で作って何が悪いのかと思いますが日本にお住まいの皆さんは自己判断で造ってみて下さいな。
私は素人だしインターネット上にある作り方のレシピを見て造っただけですが、米、りんご、葡萄を使って今のところお酒(ワイン)作りは全部成功しています。自分と夫と飲むだけなので毎回少量での醸造ですが。
お酒作りのきっかけも、ゴミを出さない為でした。
私の知る限りこの街では量り売りでお酒は買えないので、瓶、缶の使用を減らしたく、考えた結果が「買わないで作る」でした。
原料はほぼパッケージフリーで買えるものばかりですし、何より市販のアルコールには防腐剤などの体に良くない添加物が沢山入っていますが、手作りすれば中身は丸わかりなので安心して呑めます。
始めてのお酒作りにおすすめなのがアップルシードル。
生搾りのリンゴジュース2ℓにイースト1gを入れて、初日から勢いよく発酵してきます。2日か3日経つとぷくぷくと気泡が少なくなってきたら一次発酵完了。
(この写真は仕込んだすぐ後。)
このままでも呑めますが、シュワっと炭酸の入ったお酒にしたい場合は、
瓶に小さじ1杯の砂糖か蜂蜜を入れ、一次発酵を終えたリンゴジュースを瓶詰めして1日程で二次発酵しシュワっと爽やかなアップルシードルが仕上がります。
(写真は瓶詰め後)
私はリンゴ丸ごと絞れるジューサーを持ってないので、市場でリンゴを買ってきて、皮をむいて種をとって、最低限ミキサーが回るだけの水で果肉ごとジュースにした液体にイーストを入れて発酵させてから、瓶詰めの前にガーゼで果肉と果汁を搾り分けました。
本来のヨーロッパでのアップルサイダーの昔ながらの作り方はイーストを使わず皮に元々ついてる酵母で発酵させて作る為、皮ごとジュースにするようですが、この辺りで買えるりんごの皮についた農薬やワックスがそう簡単に洗い流せるのかちょっと怖いので私は皮はジュースにはしません。残念。
また、葡萄酒(ワイン)もほぼ同じ工程です。
葡萄は皮ごとボールの中でひたすら手で潰し、ジュースにして1週間ほどで発酵完了後、絞り、瓶詰め。
呑みたくてしょうがない気持ちを抑え、半年くらい寝かしておくとより美味しくいただけます。が、半年も待てたのは一度きりで、大概2ヶ月くらいで呑んでしまいますがそれでもとても美味しく頂けます。
そして自分で作るお酒の中で、作りがいあって買うより美味しいかと思えるお酒ナンバーワンは日本酒造り。
日本酒作りは麹作りから始めるので少し手間は多めです。もちろん麹が作らなくても手に入る方は別ですが、パッケージフリーを目的とした酒作りの場合だと、味噌屋や醸造所とかから譲ってもらわないといけないかもしれません。
だけども麹作りもコツを覚えたら意外と簡単。(こう言えるようになるまでに何度も失敗しましたが)
多分ここは標高が高いから、通常の作り方とはちょっと変えなくちゃいけなくて、日本に住んでたら日本国内のレシピで問題なく作れるかと思います。
私の日本酒のレシピはいろんな方のレシピのアレンジ版ですが、美味しいので是非試してみて欲しい。
仕込み用の容器(私は蓋付きのホーロー鍋を使ってます)に蒸した米(5合)と米麹500gを入れて、これがひたひたになるまで水を入れます。多分大体1.5ℓくらい。多くても2ℓいかないくらいだと思う。(ひたひた度合いで調節)
これにイースト2g入れて、7日間発酵させます。最初の3日は熱殺菌したものでしっかり混ぜて、後の4日は放置。
発酵が終わったらガーゼで絞って出来上がりです。
冷やして呑むとこれが本当に美味しい。
余計なものの味がしないピュアなお味です。生酒なのであまり保存はきかないけれど、さらさらーっと呑めて二日酔いなし!
そして絞った際に出た酒粕は体にとーっても良く、様々な用途があります。
私は粕漬けや炒め物、味噌汁などの汁物、料理酒代わりに使ったり、酒粕石鹸、化粧水などにも使っています。
コンポストの発酵にも◎
友人達にも好評です。
もはやパッケージフリーを目的として作り始めた事を忘れるくらい美味しくて健康的なお酒作り、是非お試しをー!
去年コロナがメキシコでも流行り始めた頃、なぜか私の住む州は州独自の決定でお酒の販売が禁止されました。
今思うとあれは一体どう効果があったのかわかりませんが、メキシコの32ある州の中で感染者の少ない州をキープし続けた数少ない州であるからには、酒を売らなかった事は意味があったのかな。
その間約3ヶ月、私はこの自家製酒を作って自粛生活を過ごしてました。
買わないことに慣れてしまうとお酒って高いなーと思います。
もちろん葡萄やリンゴも産地から遠く離れた土地に住んでいたら自家製が逆に高くつくこともあります。
身の回りの暮らしを手作りしていく生活をしてると、原材料を自給できるってことが1番自分の時間を生きることに直結してるんじゃないかと改めて思うのでした。
循環、循環。
いつか大地に還る日まで。