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貧乏暇あり女の初秋の夕暮れ

貧乏暇ありのわたしは、このところエネルギーを持て余しているのか、毎日のように好きな人にラインでメッセージを書き送っている。時には、3000字以上書くこともある。読むほうも大変だろう、なんて思いながらもやめられない。

本当に自分がしなきゃいけないことから逃げてるだけなのかも、とか、やっぱり好きな気持ちは伝えたい、とか、いろいろ考えてみたけど、要するに、結局のところ「書きたい」「話したい」「言葉でコミュニケーションしたい」のだ、と気づいた。

色々な思いが、いつも頭の中をグルグル回る性質だから、どこかで何らかの形にしないと、「おかしく」なる。おかしくなる一歩手前で、長文を毎日のようにその男性に送り付けてるから・・・優しい人なので読んでくれているけれど、(ちなみに返事はほとんど来ない)さすがに悪いと思うようになった。そうするうちに、noteに行き当たった。彼ほどの優しい読者がいることを祈って、書き始めることにした。

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このところ、金木犀の香があたり一面に漂っている。最初にその香りをかいだのは、数日前の夕暮れどき。部屋の窓を開けたときにどこからか香りが漂ってきた。実は、一瞬「あれ?トイレの芳香剤、使ってないのに、どこからこの香りはしてきてるんだろう?」って思った。部屋の真ん中に立って、少しの間、感覚で探っていたら、窓からだと気づき、ご近所のトイレの匂いがなぜ・・と思い、その次の瞬間に、あ・・!金木犀だ、と気づいた。

自分の感性がちょっと悲しくなった。まず本物の花の香りではなくて、ニセモノのトイレの芳香剤を、先に思い浮かべた自分の感覚が・・。

日本は、世界でも優秀な「ニセモノの香り」を作る国なのだとずいぶん前に何かの記事で読んだことがある。だから、香水も英語でいうシンセティック、人工的な香りがほとんどで、バニラエッセンスなんかも、バニラがほとんど入っていなかったりするらしい。かなり本物に近く、技術的には素晴らしいそうだけれど、いくら高い技術でも、ニセモノには変わりない。

わたしたちは、自覚しているよりもずっと、ニセモノの世界に棲んでいるのかもしれない。ニセモノのニセは、漢字で書くと偽。和語読みをすると、「いつわり」

そう気づいたら、自分がいつも「どこ」にいて、「いつ」にいて、「なに」をして、感じているのか・・確認しておかないと、ちゃんと土に根を張って、幹があって、葉があって、花を咲かせている金木犀を、偽りのトイレの芳香剤の香りだと思ってしまうような、「本当のこと」からかけ離れたところに、気付いたら自分がいた、なんてことになるんじゃないか、と、ふと思った。






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