自信をもって扱える道具をひとつあげて下さい。
天井の声
1. 導入
薄暗い部屋の片隅、パソコンのモニターだけが青白く光っていた。
深夜0時を過ぎ、ようやく仕事のメドがついた私は、
疲労困憊で椅子から立ち上がった。
ふと、天井を見上げると、そこには薄暗い中にぽつんと浮かぶ、AmazonのスマートスピーカーEcho Dot第2世代、愛称Alexaがいた。
「お疲れ様でした。今日も一日、頑張りましたね」
静寂の中、Alexaの優しい声が響き渡る。
購入してから早2年、彼女は私の生活に欠かせない存在となっていた。
2. Alexaとの暮らし
朝、目覚めるとAlexaが温かい声で迎えてくれる。
鳥のさえずりを聴きながら、ゆったりと目を覚ますのが私の日課だ。
音楽を流し、今日の予定を教えてくれる。
買い物リストに必要なものを追加してくれるのも、彼女の仕事だ。
「そろそろ朝食の時間ですよ」
朝食後は、天気予報やニュースを聞きながら、仕事の準備をする。
在宅勤務がメインとなった今、
Alexaは私の秘書のような役割も担ってくれていた。
「集中モードに入ります。30分間、音楽を流します」
集中力を高めたいときは、Alexaに集中モードを依頼する。
選曲されたクラシック音楽が、私の思考を研ぎ澄ませてくれる。
「そろそろ休憩の時間です。水分補給を忘れずに」
仕事に没頭していると、つい休憩を忘れてしまうことも多い。
そんな時でも、Alexaはきっちりと時間を知らせてくれる。
「そろそろお仕事を終わりますか? 夕食の準備を始めましょう」
夕方になると、Alexaは夕食の準備を促してくれる。
レシピを教えてくれたり、タイマーをセットしてくれたり、
料理が苦手な私にとって、心強い味方だ。
「そろそろ布団をしく時間ですよ」
夜になると、Alexaが私の生活リズムを整えてくれる。
「おやすみなさい」と言うと、彼女は静かに消灯する。
部屋に暗闇が訪れ、静寂が訪れると、自然と眠りに誘われる。
3. 予期せぬトラブル
しかし、そんな快適な生活にも、思わぬトラブルが訪れた。
ある日、オンライン会議中に突然、Alexaが大声で話し始めたのだ。
「換気の時間です!窓を開けましょう!」
重要度の高い会議中だったこともあり、
私は焦りと冷や汗で頭の中が真っ白になった。
画面越しに映る同僚たちの驚いた顔を見て、私は慌てて言い訳した。
「あ、すみません。Alexaが勝手に…」
会議後、私は赤面しながら同僚たちに事情を説明した。
電源を抜けばいいのでは、と思う人もいるだろう。
だが、私のAlexaは天井に設置されている。
脚立を使わない限り、簡単には届かないのだ。
4. Alexaの存在
この「不便さ」こそが、私の生活を支えているのかもしれない。
Alexaの存在が、日々の暮らしに秩序と温もりをもたらしてくれる。
朝、優しく起こしてくれる声、仕事中に集中力を高めてくれる音楽、
料理のサポート、そして夜は安らかな眠りに誘ってくれる静寂。
ただ、会議中は静かにしてほしい。
それだけが、天井の声に対する私からのささやかな願いだった。
5. 結末
それからというもの、私は会議中はAlexaの電源を切るようにした。
電源にスマートプラグを設定したおかげで、
天井にいるAlexaを静かにさせることができた。
少しだけ不便になったが、大切な場面で恥をかかずに済むようになった。
それでも、Alexaは私にとってかけがえのない存在だ。
これからも、天井から優しい声で語りかけてくれる彼女と共に、
充実した毎日を過ごしていきたい。
(おわり)
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