まことしょかん(n回目)
以前、このような記事を書きました。
このときは、オガールプラザ内の紫波町図書館に隣接する紫波町情報交流館の2階の部屋を借りて開催しました。
このときのコンセプトはこの記事に詳しく書いてありますが、それはそれとして、心の奥底では、
「とにかく自分が持っている楽譜(オーケストラの総譜=新書や文庫本サイズのポケットスコア)をリュックサックに詰められるだけ詰め込んで(このときは30冊くらい)テーブルにたくさん並べて、あとは申し訳程度に隣の図書館から5冊くらい借りてきて、それを話の入り口にして、楽譜の面白さをこんこんと説いていこう!」
と(割と本気で)思っていました。
いま改めて思い返すと迷走しまくりで押し付けがましくて(一般的には)他人からの共感を著しく得にくい、ひどい有り様だったなあと思います。
そしてこのあとにも週1だったり間隔が2週間空いてみたりと不定期で7回くらい(かな?)開催してみました。
そこで第1回から変わった点を羅列すると、
①: 入場料徴収して有料で部屋を借りる
→→→オガール広場の屋外スタジオで無料で開催する
②: テーブル上には私物の大量のポケットスコアが中心
→→→紫波町図書館からその日の気分で10冊借りてそれだけを置く
③19時にスタートしたら21時まで撤収しない
→→→利用者さんが来なかったら20時をめどに撤収する
…という感じです。
①のように第1回と第2回は「大人150円!高校生以下FREE!」として、「お金を取るからにはなんとしても心地よい時間と空間を作るのだ!!」と息巻いてやってみましたが、
まあこの条件設定が正直言ってめっちゃ負担になってしまって。
第1回では利用者さんが1人(私のお友達さん)のみだったのでしっかりと入場料をいただいたのですが、入場料ありで部屋を2時間借りると900円かかってしまうわけですよ。最低でも延べ人数で7人以上こないと利益が出ないわけです。
なので第2回からはさっそく「2時間滞在するだけなら手続きなしで無料」の屋外スタジオで開催してみました。
すると今度は、屋外ならではの問題が噴出しまして…
「キャンドルとか置いたらおしゃれ感あるよね」とか思ってみるものの、激しく金欠期間だったため自宅の神棚のお灯明のろうそく()で代用してみたり、すると想定外なほど屋外は風が吹いていて、小さな火は常に消えようとするんですよ。これが風前の灯火ってやつか…と感心しつつ、両手でお灯明を包み込むようにして風除けにして、結果的に両手が使えないからそれ以外に何もできずにただただ時間だけが過ぎる…という地獄のような不毛な時間を過ごしていました。
このほかにも前掲記事の中にある「まことしょかんノート」を屋外スタジオの前に掲示するために重くてかさばる譜面台を持ち込んでみたり、さらには夜間なのでそれが見えるように自転車のライトを流用してみたり…と、あまりにも結果に見合わないコストが大き過ぎる、と思うようになっていきました。
第3回以降はもうちょっと楽にやりたいと思って入場料徴収をやめましたが、利用者ゼロという回も何度か経験してモチベーションもダダ下がりになってしまい、「あれ…ぼくってなにがしたかったんだっけ…」状態に。何より寒さもキッツいキッツい岩手の晩冬の夜の開催でしたから、もはやろうそくのちっさいちっさい火を手で包んでるだけの火のお守り役みたいな感じで2時間を過ごしていました。
なので②にも③にも繋がっていくのですが、とにかく自宅とオガールの移動時の負担を減らすために「その日のその場で“蔵書”を選んで、帰りも身軽にするためにその日の終わりにブックポストへ全冊返却する」を基本とすることにしました。
③については、Facebook等での告知で、「誰もこなかったら20時で閉館します」から「20時の時点で誰かいたら最大21時までやります」というより強固な表現に変わっていきました。
そのルールを自分の中で作ってみると、かなり私の負担が軽くなったのです。このおかげで、現時点(2021/04/11)では1週間ほど連続して開催し続けることができています。
正直言ってお金にはなっていません。しかし持ち出しもほぼゼロで運営できている感触があります。たまーに通りがかったかたから声をかけていただく場面も出てきたりして、それがとってもうれしいです。
なにより、生活習慣として続けるようにしていきたいです。