久方ぶりの雨が降る夜。
雨の久しさを感じながら、穏やかな晴天が続いていたことが意識される。
隅々まで整った美しい道を歩くと、ゴミが落ちていたり舗装が崩れている道をしばらく歩いていた事が意識される。
人は多かれ少なかれ「環境に適応する」力を持っていて、それは「慣れる」とも言えるけれど、あるべき(と考えている)姿と現実との乖離による心理的負担を抑えるべく、あるべき姿のほうを現実に合わせてゆくことに近い。
慣れている状態は「定常状態」とも捉えることができるけれど、この「定常状態」の質が重要なように思われる。
その質とは、「美しさ」など何かしらの水準(ストック)における意味と、その状態からの「逸脱」「改善」を促進するのか、それとも抑制するのか、という変化(フロー)における意味とがある。
「あたりまえ」の水準を高く保つ、ということは尊い。
日本に戻ると「衛生的である」という意味での「美しさ」を享受できることも有難い。