物を拡大すると触覚の感度が高まる
今日は『触楽入門 -はじめて世界に触れるときのように-』(著:テクタイル)から「虫眼鏡で拡大しながら触ってみよう」を読みました。
昨日は「視覚情報を遮断すると触覚はどのように変化するか?」という問いにふれました。暗闇など視覚情報を取得できない状況下では、自分を取り巻く環境を知覚する上で触覚が重要な役割をはたします。実際に触れてみて、自分の頭の中でそれが何かをイメージしていくわけです。
視覚情報は「全体から部分」へと意識が移るのに対して、触覚情報は「部分から全体」へと意識が移っていく。物事の細部を解像度高く捉える上で触覚が果たす役割は大きいということです。
さて、今回読んだ範囲では「物を拡大すると触覚はどのように変化するか?」というテーマが展開されています。
著者は「物を拡大しながら触れると、触覚の感度が上がる」と述べます。
レンズ、虫眼鏡、顕微鏡。微細な物を拡大する技術の発明により、それまで捉えることのできなかった世界をありありと捉えることができるようになりました。一度でも解像度高く細部まで見えてしまうと、それ以前の状態には戻れなくなってしまうように思います。
著者のエピソードも然りですが、それまでは目をつぶっていた、想像力で補っていた部分が生々しく見えてしまうのは、必ずしも良いことばかりではないのかもしれません。
今回の話は「物事の解像度をどこまで高めるべきか?」という問いを考えるきっかけにもなりました。