同期する手拍子、自然体、そして生命〜音楽に包まれながら〜
「同期の神秘」
ライブに参加すると、オーディエンスが思い思いに身体を揺らしたり、手を伸ばしたり、あるいは曲に合わせて手拍子を入れたりする。
その個人個人の思い思いの楽しみ方、自然体になってゆく瞬間が好きだ。
音楽が鳴り響く中で最初は場所も音量もまばらだった手拍子が、あっという間に人から人へと伝播して、瞬間的に大きな手拍子となってゆく。
この手拍子の「同期」が、まるで生命の鼓動のように感じられる。
最初はタイミングがバラバラでも、そのズレが次第に修正されて、ピタリと重なり合ってゆく。
周囲とタイミングを合わせるだけで、全体のリズム、ペースが整っていく。
「部分の調和」が広がって、瞬く間に「全体の調和」へと向かってゆく。
「同期」というレンズを通してみると世界はどのように見えるのだろうか。
美しい音楽に包まれながら、音に満ちた時間と空間の中でそのようなことを考えていた。