「縁を紡ぐこと」、是即ち「束になる流れ」〜自己を超えた力によって引き出され、そして撚り合わさってゆく〜
「縁を紡ぐということ」
「縁を紡ぐ」と言われるけれど、「紡ぐ」とは一体どういうことだろう。
紡ぐという言葉の語源を辿ると、名詞の「つむ(錘)」が動詞化した言葉のようである。
糸を紡ぐ機械の付属品である錘には、糸の原料を錘にかけて繊維を引き出す役割があることからすると、紡ぐは「引き出す」と「撚り合わせる」という二つの意味の重なりを持っている。
そして、「引き出す」のは自分自身の力で引き出すというよりも、外部の力(錘)」を活かすということからすれば、「内側から引き出されてゆく」と捉えるほうが理にかなっているのかもしれない。
「縁」という言葉は、どこか神秘性、偶然性を伴っているように感じられるのだけれど、それは自己を超えたところ(錘)から導かれているような感覚が根付いていることを直感しているのかもしれない。
引き出され、そして撚り合わさってゆく過程は、すなわち「束になる流れ」のようにも思える。
「縁を感じる」というとき、「何かと一つになってゆく」感覚を覚えているのかもしれない。