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皮膚は何を感じとっているのだろう?

今日は『触楽入門 -はじめて世界に触れるときのように-』(著:テクタイル)から「触覚センサはいろいろある」を読みました。

触覚と触感の違いは何か。触覚は感覚器のひとつであり客観的なもの。一方の触感は、何かに触れているときに主観的に感じるもの。

触覚と触感の間をつなぐものは何でしょうか。そのヒントとして、著者は「触覚はなにを感じ取っているのか」という問いを立てています。

 さて、視覚は光を、聴覚は音を感じ取るものですが、では、触覚はなにを感じ取っているのでしょうか。もっとも単純に言えば、それは皮膚の変形です。より正確には、皮膚に入り込んだ末梢神経の先端にある触覚のセンサが、圧力や振動によって細胞が変形したことを感じ取っているのです。

「触覚はなにを感じとっているのか」と問われると答えるのが難しいように思います。「触感を感じる」とは言いません。「(触感を逆転した)感触を感じている」とも言わないと思います。表現としては「感触がある」です。

触覚は「皮膚の変形」を感じとっている。この事実がとても新鮮でした。

例えば、ザラザラしたものに触れるとき、ものの凹凸に合わせて皮膚が変形していて、その変形が「ザラザラ」という触感を生成している。ツルツルとしたものに触れるときは、凹凸がないだけ皮膚の変形が少ないため「ツルツル」とした触感が生成されているのですね。

それでは、皮膚そのものが触感を生み出しているのでしょうか?

著者は次のように紹介しています。

 例えば、形のデコボコや表面のエッジ、やさしく押された圧覚を感じるのは「メルケル細胞」が担当しています。パタパタと感じるぐらいの速さの振動や、ツツっとしたすべりには「マイスナー小体」が応答する。この2つは、特に手指に高い密度で分布しています。

皮膚の内部には特別な構造体が存在していて、そのひとつである「メルケル細胞」が圧覚を生成している。振動やすべりは「マイスナー小体」が感覚を生成している。ひとつの神経が様々な触感を生み出しているのではなく、触感に対応する複数の神経が存在し、役割を分担している点が興味深いです。

あらためて感じるのは「自分は自分の身体のことを良く知らないのだな」ということです。自分の直感的な感覚を支える細胞や神経のことに関して理解を深めるため、一つひとつの機能や細胞同士のつながりを調べていきたいと思いました。

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