「日中浴びる太陽光の量が、熟睡に欠かせない神経伝達物質セロトニンの量を調節している」
睡眠の質を改善したい場合、寝具などの睡眠環境に意識を向けるように思いますが、日中に浴びる太陽光の量にも睡眠の質が左右されるのだとすると、睡眠環境に留まらず「そもそもどのような生活をしているか?」という問いを立てることが必要になってきます。
たとえば、もし日中を室内で過ごすことが多い場合、太陽光がどれほど入る環境であるのかが気になってきます。あるいは、少しでも屋外に出るような時間を作るような工夫もあるかもしれません。
「睡眠環境を整える」というのは「点(静)」で捉える一方で、「どのように一日を過ごすか」というのは「線(動)」で捉えるようなところがあると感じます。抽象化してみると、睡眠の質は一日の生活という「文脈」に依存している(文脈依存性がある)と言えることになります。
この「文脈依存性」は何かの事象を捉える時に重要な要素であると思うのですが、文脈はその多元性ゆえに捨象されてしまうことが多いように思いますし、文脈を掘り下げること自体が労力を要します。
たとえば、もし「元気がなさそうだな」と気づいた時、人は「何かあったのかな?」と察することができるのですから、「文脈」に想いを寄せることも本来は難なくできるはずだと思うわけです。