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温かさと温もり〜身体的な温かさと心理的な温かさの結びつき〜

冷え切った身体を温める。

悴んだ(かじかんだ)手に「ハァ…」と温かい息を届けると、寒さで凍えた手の緊張がほどけて、なんだか生き返った心地がします。

「温かさ」は、物理的に測られる量・尺度にとどまりません。

「温もり」と表現すると、そこには人の存在、関係性、つながりが感じられます。

いや、人にかぎらないかもしれません。

木の温もり。

ていねいに作られた木の家具の手になじむような質感。

身体的な温かさと心理的な温かさが結びついて、「愛されている」という感情の基盤となること。

「温かさ」と「温もり」

物理と感性の行き来に「人間らしさとは何か?」を見出す機会としての可能性を感じる今日この頃です。

ボウルビィはハーロウの結論を拡張し、養育者による身体的な温かさについての初期経験が対人的な温かさの定型的な発達や他者におけるこの属性の検出にとって重要であると示唆した。つまり、レイコフとジョンソンが述べるように、「彼女は温かい性格だ」といったメタファーは、意味的な基盤をもたな単なる言語的慣習ではない - 身体的な温かさとパーソナリティ特性を結びつけるメタファー表現の基盤は、発達初期の外界との相互作用を通じて確立された身体経験なのである。

レベッカ・フィンチャー - キーファー『知識は身体からできている 身体化された認知の心理学』

身体的な温かさと心理的な温かさ(つまり、愛着や保護、愛されているという感情)の結びつきが反復によって強化されるにつれて、これらの神経回路は感覚機能と概念機能という二重の表象機能を担うようになる。

レベッカ・フィンチャー - キーファー『知識は身体からできている 身体化された認知の心理学』

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