物事の同時性・不可分性〜文脈の中で意味が立ち現れるということ〜
「文脈の中で意味が立ち現れる」
降り注ぐ雨も、暑い季節に降るのか、それとも寒い季節に激しく降るのか、あるいは激しく降るのか、しとしと降るのか。
物理的な特徴は同じだとしても、どのような文脈に置かれるかによって印象は全く異なります。
暑い季節では、雨の冷たさは裏側に隠れ、ふれる瞬間には水の柔らかさが表に出てくるように思われる一方、寒い季節では雨の冷たさが表に出て、ふれる瞬間には水はどこか固く鋭い感じがします。
気温と印象は自然と結びついていて、「水そのもの」だけを感じているということはないのだと思います。
こう考えてみると、「物事」という言葉の本質とは「物か事か」ではなく、「物と事」という「同時性」「不可分性」にあるのかもしれません。
そんなことを思う初冬の夜。