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光、際、そして多様性〜地平線のほの明るさから〜

夜が明ける時。

太陽がほのかに照らす地平線は数多の輝き、色に満ちている。

太陽が燦々と光り輝いている時。

眩さのあまり、光に含まれる色を捉えることは難しい。

太陽が沈んでいる時。

星の光に含まれる色を捉えることはできるだろうか。

多様性は何かと何かが穏やかに交わり、重なり合う、その際に見出されるのかもしれない。

際の多様性。

澄んだ水が、物体からの光や色を透過して、明瞭な像や色あいを見せる様、あるいは光源からの色光を透過して、その色あいを見せる様は、「透明なもの」という水のイメージを指向する。無隣庵の流れが広まって、その速度をゆるめるところでは、水底の苔が、その姿と色とをくっきり見せていた。(中略)点光源からの強い光が水面に乱反射して輝く様は「反射する面」という水のイメージを指向する。(中略)物の色あいや形、あるいは音楽を際立たせる水がある。

鈴木信宏『水空間の演出』

水が、その向こうにあるものをはっきりと透かして見せるとき、観察者の注意が物のぬれた色合いに向けられていれば、「透明な水」を指向した同じ水が、「色を際立たせるもの」としてイメージされることがある。浅い水は自らの色をかくして、他の色を一層際立たせて見せる。石はぬれた時にこそ真にその鮮やかな色あいを見せる。(中略)G・バシュラールが言うように、「光は澄んだ水に出会うとき一層の明るさを得るように思える」

鈴木信宏『水空間の演出』

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