何を選ぶのか、よりも何を選ばないか〜過剰につながり、大切なものは自然と残る〜
何かとのつながりができた後、自然と残るつながりもあれば、薄れゆくつながりもある。
「アポトーシス」という細胞の自然死のメカニズム。そこには正常な状態を維持するという積極性が内在しています。
生物の全体性を生み出す意味で重要な神経系、神経ネットワーク。
つながりが上手く形成されなければシグナルが伝達されず、身体の連動性が保たれない。神経系は過剰な運動神経が伸び、うまくつながるものが残り、うまくつながらなかったものは死んでゆくそうです。
人生においても様々な人、物事と出会いがあり、つながる機会があります。
どのつながりが自分にとって望ましいつながりなのか、つながった瞬間にはなかなか分からないものです。
しっくりくるつながり、深いつながり。
それは数多のつながりの中から、残り続けているつながり。
消え去るつながりもあれば、濃淡を繰り返しながらも長く続くつながりもある。
「自然死」あるいは「自然消滅」というメカニズムは、自分の意思で最適なものを決めるのとは異なる最適化とも言えるのかもしれません。
「何を選ぶのか」と「何を選ばないのか」は等価なのでしょうか。
「大切なものは自然に残ってゆく」ということからすると、どうも等価には思えないのです。
自然は後者、つまり「何を選ばないのか」を選択しているように思えます。