今日は私にとってとても大切なアーティストのお二方の弾き語りに足を運びました。
ピアノと歌声、ギターと歌声。
様々な音が数多く重ねられた音楽と等しく、必要最低限(=必要十分)な音で紡がれる音楽にもまた、簡素さの中に豊かさが、簡素がゆえの豊かさに満ちています。
声には無限のグラデーションがあります。しっとりした声、やわらかい声、力強い声、澄んだ声、かすんだ声、伸びやかな声…。
声と楽器の重なりあい全体が簡素であるからこそ、特別な意識を向けなくとも、声の多元性、固有性が自然と照らし出されて浮かび上がってくる。
あれこれ考えずに、ただただシンプルなものをシンプルなままに。
"Less is more." という言葉がありますが、これは価値観を表しているのではないと思います。むしろ、簡素さの中に豊かさを見出すことのできる人間の感性、精神性の涵養を表すことに他ならないのではないでしょうか。