患者さんとのおしゃべりを大切に。専門美容室ピアは、今の具体策と、未来を変える場所。
こんにちは。患者さんの日常生活を豊かにしたい会社PEER(ピア)の代表、佐藤真琴です。このnotesではピアの事業を通じてどのような社会づくりを目指すのかについて、またその周辺について、書いています。
ここからの内容を3行でまとめると、このような内容です。
・嫌な体験の嫌さを減し、解決方法の出せる美容室
・おしゃべりにも目的がある
・今の困りごとは、未来に持ち越さない
「嫌な体験」の「嫌さを減らす」 専門美容室ピア
私たちは静岡県浜松市で、抗がん剤や脱毛症をはじめ、様々な理由で髪が抜ける時期を過ごす人たちのための美容室を運営しています。髪が抜ける時期から、その髪が生えてきたりして、いつもの美容室に戻るまでの期間をサポートするちょっと変わった美容室です。美容師さんはウィッグや髪を整えるだけではなく、おしゃべりをしながら、ご本人がどうしたら毎日過ごしやすいだろうかを考えますし、みなさんが日常生活が楽になるように、ウィッグを加工したり、使い方の工夫を提案したりします。できるだけお金をかけないことも大事にしていて、お手持ちのウイッグがあればそれを加工したり、とにかく、患者さんたちの日常生活を豊かにすることに自分たちのできることを丁寧に提供しています。
嫌な体験を消すことはできませんが、ご本人の気持ちを汲みつつ、できること、できないことを提案して、一緒に方法を作ります。その結果、嫌な体験の嫌さを減らす場所として機能しています。(要は、嫌なものは嫌なので、私たちには、それをゼロにすることはできないのです。)
嫌な体験を変える様子を公開中
ピアでは店長柴田さんが中心に、日常の様子を積極的にInstagramで公開しています。使っているウィッグをカラーリングしたり、お客さまに合わせてウィッグを加工している様子なども紹介しています。ピアはユーザーが豊かになればOKなので、何でもオープンに、技能も惜しみなく公開しています。
コンセプトを理解してくれるユーザーさんたちの中には写真公開していいわよ、と言ってくださる方も多く、Instagramページでは嫌な体験がどう変わっていくのかを実際に見ていただくことができます。
美容室は、解決方法の出せる場所
私たちは、困りごとを解決することを仕事にしています。お話を聞いて、解決できることは、解決する方法をつくっています。
ピアは、がん患者さんのウィッグをつくることからスタートしています。ピアは美容室なので、がん患者さん以外の人もやってきます。脱毛症や抜毛症、加齢や治療による髪質の変化、やけどなどの傷など、原因は様々です。理由は何でも、皆さん髪の毛のことで悩みのある方です。この悩みに対して具体的に見た目の嫌な思いを解決しながら、自分の気持ちも少し軽くなってもらえるような場所です。見た目が変わったら、少しだけ気持ちが軽くなります。嫌なことが具体的に減れば、少し気が軽くなります。専門美容室ピアは、このように具体策の出せる場所として、解決方法を作っています。
目的のあるおしゃべりを拾う
美容室で皆さんはどんな話をしますか。必要なことをお伝えしたら後は静かにしてほしい方もいれば、いろいろ話しながら知りたい方もいます。ピアの美容室も同じくです。話したくないことは話さなくていいし、話したい人は自由に話してもらっています。こちらから聞くのは、明日から困らないで日常的にウィッグや帽子を上手にってもらうために、必要なことを聞いています。シーンとしていただいても、泣いても笑っても自由です。
では、実際にはどんな感じかというと、ピアに来てくれる皆さんは、いろんなおしゃべりをしてくれます。いろいろお困りのことがあり、でも家族や友人たちにはなかなか話しにくいことがあるからです。ウィッグや髪の毛のことの具体的はことはもちろんですが、病気で不安、しんどい、なんで私が、健康には気をつけていたのに、これからどうしようなど、質問というよりは自分の気持の追いついていない、そんな感情を吐露されます。諦め半分、解決方法があったらいいなと願うこと、それを私は目的のあるおしゃべりと名付けています。この、目的のあるおしゃべりこそ、次に挑む解決すべき課題です。
困りごとの発生しない未来へ
専門美容室ピアを通じて、私たちは髪の毛ことを中心に、見た目のケアと気持ちを軽くするようなおしゃべりの場所を提供しています。ここは、美容室であり、皆さんのおしゃべりを聞く場所でもあります。ピアに来てくれる人は、髪の毛のことの他にも、症状や暮らしにくさを抱えています。それをどう感じているのかを、目的のあるおしゃべりで私たちが知ることができる場所です。
ここで知った困りごとは、知ってよかったでは終わりません。どうしたら解決できるのか、その困りごとが未来に発生しないようにするには、どうしたら良いのか。それをいつも考えています。今見えている課題は、未来に持ち越さない。未来には、またきっと新しい課題が出てきますから。
私たちは日々解決方法を探しながら、試行錯誤しています。今もいろんなことにチャレンジして、新しい方法を探している過程です。なにか方法はあるはずです。
ここでサポートしていただいた売上は、ピアの運営する美容室の備品代に使わせていただきます。