見出し画像

がん免疫療法:CAR-T療法の仕組み

がん薬物療法の中に含まれる免疫療法には2つの種類があります。そのうちの一つ”CAR-T”(カーティー)は、患者さん本人の免疫細胞を取り出して、それを強化して、増やして、再びからだに戻す治療です。ここではCAR-Tは実際にどんな治療で、その免疫細胞の強化の仕組みを説明します。


CAR-Tは、自分の免疫細胞を強化して利用するがん治療です

CAR-T の正式名称は、 キメラ抗原受容体(chimeric antigen receptor:CAR)導入T細胞療法 (CAR-T療法)と言います。作り方は、このようなイメージです。

①患者さん自身の免疫細胞(T)を取りだす
  ↓
②がん細胞にくっつく部分(CAR)を免疫細胞(T)に入れ込む
  ↓
③ある特定のがん細胞を攻撃できるようになる(CAR-T細胞)

この強くなった免疫細胞(T)が、がん細胞を発見して攻撃して、がんをやっつけていく治療です。

なぜ、普通の免疫細胞のままではダメなのか

がんは非常に賢くて、自分は正常細胞のふりをしています。がん細胞だとバレないようにウソの信号を出して免疫細胞から攻撃されないようにすることができます。

そのままの免疫細胞ではがん細胞に気づくことができない。だったら気づくようなセンサーをつけよう、という技術です。このセンサーがCARという部分で、これを免疫細胞に足すことで、がんに気づいて、がんを攻撃できるようになります。

センサーをつけて強くなった免疫細胞CAR-T細胞と、バレて隠れられなくなったがん細胞。

CAR-T療法では、強化された特別な免疫細胞を使います

つまり、ただ免疫細胞を増やして戻しているのではなく、強化された特別な免疫細胞のCAR-T 細胞にグレードアップしてから戻すことで、免疫細胞はやっとがんを攻撃できるようになるのです。

もっと詳しく知りたい方は、こちらの資料をご覧ください。
日本内科学会雑誌 キメラ抗原受容体導入T細胞療法について
https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/108/7/108_1375/_pdf

おまけ:免疫を上げる方法は、健康的な生活をすること

えー、そんなのわかっているよ、という声が聞こえてきそうです。そうなんです。何か特別なことをするのではなく、日常的に自分のからだを整えておくこと、これに尽きるようです。

日本肺がん学会のホームページに掲載されている患者さんからの質問に答えるQandAのコーナーのコラムにも、以下のように書かれています。

・禁煙しましょう
・野菜果物を1日400g食べましょう。
・肥満に注意
・運動しよう。血行を良くしよう。
・ビタミンやミネラルは食事から摂取しよう。
 良い成分も一度に摂るとがんのリスクが上がります
・前向きに、笑いも大事

他の公的な情報も確認しましたが、食事や運動も、特別な何かをするよりも、毎日の健康管理が大事ということでした。

参考URL


いいなと思ったら応援しよう!

【Speak】がんになったら最初に出会う生き方辞典 コラムページ
ここでサポートしていただいた売上は、ピアの運営する美容室の備品代に使わせていただきます。