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「103万円の壁」税制改正に期待すること


公認会計士の三浦真です。

自由民主党と国民民主党が「103万円の壁」を含む所得税の税制改正について協議したようですね。

税制改正は年末から年度末に内閣で議論されて、国会承認、という流れが一般的でした。

税制改正について、野党の意見を聞く、というニュース、私は初めて見ました。年末に出てくる、税制改正大綱、楽しみです。税制改正の勉強会で、講師をしていたので、このあたりの実務も少し分かります。

この動きの背景には、先日の衆議院議員選挙の結果、与党である自民・公明が少数与党となり、税制改正関連法案の成立には野党との連携が不可欠となったことが大きく影響しています。

日本は、民主主義、法治国家ですね。全体主義や独裁主義の国は、世界的には多数派で、民主主義の国は少数派ですが、次の世代のためにも、民主主義の良さ、示して行きたいですね。

これまで税制改正は、与党が主導する税制調査会で議論し、関係団体の意見を取り入れながら、この年末に改正案をまとめるのが一般的なプロセスでした。

しかし、今回のように野党との協議が必須となることで、税制改正がより多くの視点を取り込みながら進む可能性が高まっています。

これは、政策決定において、与党が柔軟に法案を修正し、野党が建設的な提案を行う、新しいスタイルの試金石にもなりますね。

「103万円の壁」の議論が広がることは、多くの方が日本の税制や経済の課題について考える良い機会です。

ただ、私が考える重要なポイントは、単に「壁」を引き上げるだけでなく、日本全体が「所得を増やす」ことを目指す方向に進むことです。

年収が100万円の人が、来年150万円、そして将来的には200万円以上を目指せるような社会にしていくことが大切です。

年収102万円の方と年収104万円の方で、仮に、年収102万円の方が得になる制度は、成長の足かせです。これに気づかせてくれた国民民主党に支持が集まるのは、理に適った判断ですね。

働く意欲を引き出し、スキルアップやキャリアの選択肢を広げる政策の充実が欠かせません。

日本は地面を掘れば石油が出て、国を豊かに潤してくれる、という社会ではありません。日本に優秀な人が育ち、強く賢い会社が多いから、この国は、豊かなんだと、私は考えます。

学ぶ意欲を大人も持ち続けましょう。そして、今年より来年、稼ぎましょう。それが、社会を豊かにして、国のシステムを維持し福祉の充実に大切です。

今回の税制改正が、単なる税負担の調整にとどまらず、日本の経済全体の成長と、所得向上を支える方向に向かうことを期待しています。

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