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労働売り手市場—転職が当たり前の時代のチャンス

公認会計士の三浦真です。

経営顧問として複数の会社様にお仕えする公認会計士として、今の労働市場の変化に大きな関心を持っています。

2024年10月の中途採用求人倍率が2.75倍を記録し、人手不足を背景に依然として高水準を維持しているというニュースは、その変化を象徴しているように感じます。

中途採用求人倍率は、転職希望者1人に対してどれだけの求人があるかを示す指標です。

この高い倍率は、転職が「特別なこと」ではなく、誰にとっても「普通の選択肢」になりつつあることを示しています。

私自身、監査法人を退職して新しい道を選んだ経験があり、転職の選択肢が広がることは、個人にとっても、企業にとっても、プラスの要素だと思います。

終身雇用の形骸化と市場の二極化

一方で、終身雇用という日本独自の雇用形態は、名目上は残っているものの、実態としてはその役割を失いつつあります。

企業がジョブ型雇用を導入し、職務内容やスキルに応じた給与を設定する動きが広がっています。

特に、専門性を持つ人材の採用が増えていることからも、終身雇用に代わる新たな雇用形態が浸透し始めていることが伺えます。

しかし、注目すべきは「二極化」の進行です。

20代の転職後の平均年収は414万円と、転職前より増加傾向にあるようですが、40代以降では転職後の平均年収は低下する傾向にあるようです。

ただし、高い専門性を持つ人材には依然として高収入の求人が多く、年齢やスキルによって得られる結果が異なる点が注目に値します。学習は最大の投資、勉強のコスパは良いと考えます。

転職市場の活況がもたらす変化

私の顧問先様にも転職サポート企業があるのですが、このような労働市場の変化により、そのような企業が活況を呈しています。

特に、デジタル関連や技術系アウトソーシング、自動車・半導体業界など、需要の高い業種では人材紹介会社の求人件数が大きく伸びているようです。

こうした企業は、単に転職希望者をつなぐだけではなく、求職者のキャリア形成を支援する重要な役割を担っています。ただ、人と転職先をマッチングして終わりではなく、転職する人がいかに幸せになるか、向き合って欲しいです。

ちなみに、私はレックスアドバイザーズという会社様にお世話になりました。何かのご縁でこのブログ、読まれると嬉しいですが、感謝しています。

働き方の未来を見据えて

転職が当たり前になり、スキルや専門性に応じた評価が広がる中、私たちは働き方の未来をどう考えるべきでしょうか。

個人にとっては、自らの市場価値を高めるためのスキルアップがますます重要になります。企業にとっては、適材適所の採用と育成が競争力を左右する時代です。採用目標数に達していない会社様は多いのではないかと推測します。

労働市場の二極化や終身雇用の形骸化は、働く人にとって不安要素である一方、新しいキャリアの可能性を開くチャンスでもあります。

まだ、私の子供達は小さいですが、将来、就職して何年か働き、転職の相談を受けると仮定した場合、理由は聞くでしょうが、新卒の会社にしがみつきなさい、とは絶対に言わないと思います。

自分より大切な存在に、あまり終身雇用は想定できませんので、他の多くの方にとっても終身雇用は前提になっていないのではないか、と考えます。

転職という選択肢を、より前向きに活用できるような社会が健全だと思いますので、経営側も、従業員側も、新しい環境に慣れる必要がありますね。転職先で、前職よりも活躍できるのであれば、社会全体にとっても良いことですよね。

転職サポート企業にとっても、ビジネスチャンスにもなると考えます。

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