デジタルアートについての雑感
デジタルアーティスト・Beeple(本名:マイク・ヴィンケルマン)による、NFT(非代替性トークン)に基づいたデジタルアート作品《Everydays - The First 5000 Days》が、高額で落札されたことが大きく話題になっています。村上隆さんやVRアーティストのせきぐちあいみさんも同様の試みを行なっています。
NFTとは、取引記録や所有権、真正性を検証できるブロックチェーン上で取引するために使用されるユニークな暗号通貨トークン。NFTやブロックチェーン技術が導入される以前は、デジタルアートは無限に複製できるという性質により、アートマーケットで地位を確立することがほぼ不可能だった。しかし、NFTに紐付けることで、デジタルアート作品は唯一無二の「一点物」の価値を有するものとなり、マーケットにおける新しい可能性が生みだされつつある。(美術手帖より引用)
ブロックチェーンもNFT(non-fungible token、非代替トークン)とやらも実際には難しくてわからないのですが、デジタルアートの希少化による高額取引というのは、従来のアートワールドの制度を残す選択ですね。
音楽ではiTunesが画期的でした。MP3という高質な圧縮技術の開発があったのですが、それによって違法なインターネット上の音楽ファイルの共有が行われていました。名前を忘れてしまいましたが、有名な音楽ファイル共有ソフトがありましたね。それ以前は主に中国製の海賊版CDです。iTunesは、どうやったのかわかりませんが、それらを駆逐しました。
映画も昔は、やはり主に中国製の海賊版DVDがアジアの露店やその辺のお店で販売されていました。それがインターネットの普及により、やはり違法な共有ファイルで見るように変化しています。そこへNetflixやAmazon primeの登場です。
先に海賊版が横行し、それを規制すると共にビジネスの成立するデジタル化が進んできたわけです。
本については電子書籍ですね。しかしその一方で誰もが見ることのできるデジタルアーカイブ化も進んでいます。またとにかく読まなければならない本が多すぎるので、Wikipediaのような集合知による知識の「蒸留」も必要になって来ます。これは別に特別な話でなく、学校教育などでアメリカ独立を教えても、アメリカ独立憲法を全文読ませたりしませんね。勿論、興味が深まれば全文を読む価値はあります。
その中で出てきたデジタルアートですが、どうなるでしょうか。
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以下は、この文章を書くきっかけとなった、アーティストの彦坂尚嘉先生のYouTube動画です。どちらも大きなスパンで考察していらっしゃって、面白いです。下の動画は上の動画の基本解説なのですが、これはこれで根本的な問題を指摘していらっしゃって、興味深いです。ぜひご覧になって下さい。