頭の中を書く
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「すみません。今日は用事あるので外で昼済ませます」
僕は上司や先輩に声をかけオフィスを出た。
久しぶりにカフェにきた。
新しくできたばかりの店内は予想していたよりも人が少なかった。
スーツのポケットからA6サイズのノートを取り出し、何も書いていない真っ白なページを開ける。
今日は何を書こうか。
平日の忙しさに忙殺されていた現実の場所から離れるだけで、とても心掛けて安らいでいる。この感覚が心地良い。
人と話すのは嫌いじゃないし、仕事もそこまで嫌いじゃない。でもこうやって一人になる時間が必要だ。
自分の頭の中を一旦リセットして、新たな考えを巡らせる。自分と対話する時間。
淹れたての熱いブラックコーヒーをちびちびと飲む。香りを意識する。
カップを置き、思いついた言葉をノートに書く。
言葉を丸で囲み、そこからまた連想する言葉を書き、線で繋ぐ。
自分の頭の中をノートの上に表現する。
頭の中の言葉は不明確で自覚するのが難しいけれど、こうやって文字することで明確になり頭がスッキリする。
ポジティブな事も、ネガティブな事も書いてみる。書くことで気づくことがたくさんある。「なんとなく」が「はっきり」する。自分と対話する時間。
頭の中の想いは日が経つとアップデートされているから、定期的にこんな時間を取る。
自分という人間をできるだけ客観的に知ろうとする試みだ。そんなことを繰り返しているとあっという間に昼休みが終わる。
さて戻るか。
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