ベッドから降りると床の冷たさが足元から伝わってきた。
スリッパもこの部屋には無い。
立って周りを見回した。静かな部屋だ。
おれはゆっくりとベッドの周りを歩いた。
いつも寝ていた部屋は6畳ぐらいだった。
でもこの部屋は明らかに広い。10畳はある。
歩いていると足に汗をかいているのがわかった。
こんな状況だ。身体がストレスを感じて発汗している。
次は壁だ。
おれは壁に沿って歩いた。
白いクロスの壁だ。人差し指で押すとかすかに弾力がある。
その奥はおそらくコンクリートだ。
壁に沿って歩きながら天井も点検した。
背伸びをすれば届く。同じような白いクロスの壁だ。
一周したが出口は見当たらなかった。
続く。
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