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七転び八起き、どころか、9,999転び、10,000起きでも足りない。。。

人と人が助け合って生きようとするとき、「旗印」のもとに集まって、共同体として生きる。。。ということを、昨日の note に書いた。

その旗印とは「アイコン+ストーリー」だ、とも。

でもねー。。。残念なことに、共同体が機能不全に陥ってしまうことが、歴史のなかで何度も繰り返されて来た。

機能不全の図式を、すっごく単純化してみると。。。

12名のメンバーのグループがあるとして、この共同体が生き延びるには、成人一日の必須2,000キロカロリー✕12人=24,000キロカロリーの供給が必要、という計算になる。

で、この共同体は無事24,000キロカロリーを調達できていたとして。にもかかわらず、内部に分配するにあたって偏りが生じ、10名は毎日ひとり2,200キロカロリーを受け取るのに、残り2名は1,000キロカロリーしか受け取れず。。。だから、常にエネルギー不足の2名は窮状を訴えるんだけど、全体から無視され。。。

そういう状況が、イスラエル・ユダヤ人の共同体に、かつて起きたことがあったんだ。

今日の聖書の言葉。

神に従い正義を行うことは
いけにえをささげるよりも主に喜ばれる。
箴言 21:3 新共同訳

イスラエル・ユダヤ人の共同体を結び付けていた「旗印」としてのアイコンとストーリー。。。

何が彼らを結び付けていたかと言うと、それは、エジプトで奴隷状態だった彼らが、神によって導き出され、約束の地に移り住んだ、という「ストーリー」と、その神を礼拝するためにエルサレムに建てられた神殿という「アイコン」。。。このふたつの組み合わせだった。

神が、イスラエル・ユダヤ人を奴隷状態から救い出した動機は、愛。だから神はストーリーの中で、おまえたちも隣人を愛せ、寡婦と孤児を保護しろ、と繰り返し、繰り返し、説くんだけれど *。。。

そういう「アイコン+ストーリー」を持っているにもかかわらず、やがて、寡婦と孤児はないがしろにされるようになり、こうして、イスラエル・ユダヤ人を結び付けていた「旗印」は、実の無いものになってしまった。

だから、神は何度も預言者を遣わして、悔い改めを促したんだ。たとえば、これ。。。

善を行うことを学び 裁きをどこまでも実行して 搾取する者を懲らし、孤児の権利を守り やもめの訴えを弁護せよ。
イザヤ書 1:17 新共同訳

しかし、預言者からの警告は容れられることなく、その結果、ついに、神殿という「アイコン」は破壊され、共同体は遠い異国に離散させられるという悲劇の「ストーリー」が起きてしまった。

神殿には火が放たれ、エルサレムの城壁は崩され、宮殿はすべて灰燼に帰し、貴重な品々はことごとく破壊された。
歴代誌下 36:19 新共同訳

この経験を経て、イスラエル・ユダヤ人の共同体の「旗印」は、更新されることに。どうなったかというと。。。

「アイコン」は、破壊され・再建される神殿というアイコンに。「ストーリー」は、異国に離散し・再び集められる共同体というストーリーに。それぞれ書き換えられることになり、彼らは今なお、そのアイコンとストーリーを「旗印」に生きているんだ。

新約聖書は、このイスラエル・ユダヤ人の共同体の「アイコン+ストーリー」を引き継ぎつつも、それを、人種や民族を超越したかたちへレベルアップしようとしている。

そこでは。。。

「アイコン」は、イエス・キリスト。

「ストーリー」は、イエスが人類の罪の身代わりに十字架にかかり、三日目に復活し、その結果、バラバラだった人類が集められて、人種や民族やあらゆる属性を超越した新しい共同体が出現する、というストーリーだ。

この「アイコン+ストーリー」を旗印に、新しい共同体。。。教会。。。は歩んでいくわけなんだけど、教会も機能不全に陥ることがあるわけで。。。

教会は、機能不全に陥ったとき、共同体の再生のために、過ちを悔いる。そして、悔いるたびに「アイコン」を見上げる。。。そのアイコンとは、十字架につけられたイエスだ。

イエスは、わたしたちの過ちのために、いつも・つねに・たえず・破壊され・復活し続ける。その結果、わたしたちは、何度でもゆるされ、何度でもあたらしくされ、何度たおれても立ち上がって、歩み始めようとする。それは、人種や民族やあらゆる属性を超越した、真にインクルーシブな共同体を地上に出現させるための、遅々とした歩みだ。

その歩みを、イエスは今日もじーっと見守っている。

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註)
*  Cf. 申命記 10:15-20

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