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裏切りを愛の中に回収して回復するストーリー。。。

人類は、生きて行く基本戦略に、共同体でやっていくことを選択したわけだけど。。。

共同体。人と人のつながり。。。その紐帯となるのは「愛」だ。

当然ながら、愛があれば「裏切り」も発生してくるわけで。。。

じゃあ、裏切ったヤツを排除するのか、というと、そうではなく、いかに「裏切り」を「愛」の中に回収して「回復」するか、という課題が出て来るんだと思う。

で、そういう課題をクリアして、「愛と裏切りと回復」の強靭なストーリーを持てた共同体が、生き残る確率が高くなると思うんだ。

だって、裏切りを回収できる仕組みを持てたら、その共同体は壊れようがないもの。

今日の聖書の言葉。

あなたは心を尽くし、魂を尽くし、力を尽くして、あなたの神、主を愛しなさい。
申命記 6:5 新共同訳

聖書は、つづめて言うと「愛と裏切りと回復」のストーリーだと思う。

そのストーリーを追っていくと。。。

神を愛して生きていた人間が、神を裏切り、仲間を裏切り、バラバラになっていく。。。バラバラに散った者たちの中から、神に選ばれた人間が再出発し、新しい共同体が生まれて来る。。。創世記のアダム、ノア、バベルの塔、アブラハムの物語が、それだ。

新しい共同体は、神を愛して生きることを、神に誓う。でも、時間がたつと、神を裏切り、仲間を裏切り、バラバラになって行く。。。申命記や士師記、歴代誌までの物語が、それだ。

散った者たちが集められ、共同体が再生され、悔い改めた人々は、神への愛を更新するんだけど、時間がたつと、悲劇は繰り返され。。。バビロン捕囚後のユダヤ民族の物語が、それだ。

愛~裏切り~回復、愛~裏切り~回復、というループが果てしなく続くかと思われるなかで、「赦し」というテーマが浮上して来る。

裏切りによって破壊された関係を回復するためには、「赦し」という奇跡的な出来事が必要だ。

しかも、何度、裏切られても、何度でも、赦すという、強靭な「赦し」が要請される。だって、人間のリアリティーは、悲惨だから。。。

旧約聖書から「愛と裏切りと回復」のストーリーを引き継いだ新約聖書は、イエス・キリストの出来事のなかに、すべてを回収しようとする。

その方法とは。。。

イエスがこの上なく愛した弟子たちが、あろうことかイエスを裏切り、その結果、イエスは十字架につけられ、死んでしまう。

愛が裏切られたことによる死だ。

ペトロは、「鶏が鳴く前に、あなたは三度わたしを知らないと言うだろう」と言われたイエスの言葉を思い出した。そして外に出て、激しく泣いた。
マタイによる福音書 26:75 新共同訳

ところが、イエスは三日目に復活する。

イエスの愛は、裏切りに勝ち、死に打ち勝つ。復活したイエスは、赦しを与えることによって、弟子たちとの関係を再生させ、回復させる。こうして、弟子たちは、新しい共同体をスタートするんだ。

三度目にイエスは言われた。「ヨハネの子シモン、わたしを愛しているか。」ペトロは、イエスが三度目も、「わたしを愛しているか」と言われたので、悲しくなった。そして言った。「主よ、あなたは何もかもご存じです。わたしがあなたを愛していることを、あなたはよく知っておられます。」イエスは言われた。「わたしの羊を飼いなさい。」
ヨハネによる福音書 21:17 新共同訳

「裏切り」を「愛」の中に回収することによって共同体を「回復」させる仕組みになっている、イエス・キリストの十字架と復活のストーリー。

これから先、人類が進んで行く困難な時代の中で、どういうストーリーを選ぶのかは、とても大きな選択だ。

裏切った者を、赦さず、粛清することによって、共同体を防衛する、というストーリーを選ぶのか。。。選択肢A。

裏切った者を、赦すことで、愛のなかに回収し、共同体を回復する、というストーリーを選ぶのか。。。選択肢B。

世界地図を眺めてると、すでにAとBで塗り分けられ始めてる感じがするよね。まあ、どの国がAで、どの国がBとは、言わんけど。。。

そして、地球上で最も大きな影響力を持つアメリカが、これからAを選ぶのか、Bを選ぶのか、世界中のひとたちが、かたずを飲んで見守っている。

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