育休最後の日に (2017.02.05 記)
魔法にかかったような6週間でした。
時の流れが、今まで生きてきたそれとまるで違って。毎日が愛情に満ちていて。結局、今日の最後の日になってみると「あっという間」でした。
3kgで産まれた息子が、もう6kgになっている。生まれた頃の写真を眺めて、長かったなぁと思ったり、でも、明日からのことを考えると
「育休6週間は、あまりにも短すぎる」
こんな当たり前ことを、今しみじみと感じています。
明日の通勤準備をしながら...。
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宮城県の妻の故郷での、里帰り出産でした。
育休の前半4週間は妻の実家で悠々と過ごしました。
(好きなときに昼寝ができる・・・なんと素晴らしいことでしょうか!)
後半2週間は東京に移って妻と二人、奮闘の日々。
改めて、子育ては大家族でやるほうが親にとっても、子供にとっても、そして祖父母にとっても幸せなんですよね。
東京へ向かうとき、義父母が仙台駅のホームまで来てくれて、新幹線がゆっくりと発進する瞬間まで、窓ガラスに顔を近づけて孫の顔を目に焼き付けていました。
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僕が育児休業をとったと聞いて、ある方がこの本を自宅に贈ってくださり・・・
二度、読みました。
二度目も、最後に涙が...。12年前、1年間の育児休業をとった経産省キャリア官僚のお話。僕とはその重みがまるで違うものの、彼につきまとったストレス、戸惑い、不安、孤独感。僕も全部、経験しました。最初は仕事が頭から離れなかったり、平日の昼間に散歩していると妙な目で見られたり、それから、最後まで、ある種の「うしろめたさ」は消えませんでした。
頂いた本に、4年前の新聞の切り抜きが挟んでありました。(なんと素敵なギフトでしょうか!)
”男の育休「心の壁」壊せ”という記事です。
"「休業」でなく「貢献」"という見出し。"子育ては社会への貢献"、"「育児休業」という言葉を見直す"、などが書かれています。
僕の育休が社会に「貢献」したとは全く思えない。でも、9割は妻のため、1割は自分のため、勇気を出してとった「わずか6週間の育休」は、少なくとも僕の職場に会社史上初の育休として刻まれたわけで、そこは胸を張っていいいのかな、と。
この切り抜きは手帳に大切に挟んでおこうと思います。
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調べると日本の男性の育休取得率は3%程度で、とったとしても大半は4~5日だという....それは育児をしたと言えるのだろうか?子育てはどこまでも長く続き、父親のサポートが必要な時はランダムにやってくる。なのに、現状はまるで明後日の方向を向いているんです。
仕事を放棄する覚悟、仕事上、孤立する覚悟、それでも決断する「勇気」が必要でした。
僕のような「小さな勇者」がぽつぽつと無数に続いて、まるで雨垂れが石を穿つように、「心の壁」がいつの日にかなくなるといいな、と息子の寝顔を見ながら文字を打っています。
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明日から、都心のマンションの一室で、独りで子育てに入る妻。
先日、両腕の腱鞘炎が判明(本人は骨にひびが入っている、と思っていたらしいです)。
心配は絶えないです。
この小さな息子の一生はあまりにも長く、毎日朝から晩まで一緒に過ごしたこの6週間はあまりにも短かったわけですが、かけがえのない6週間を頭に焼き付けながら、今夜は眠りに入ろうと思います。
2017.02.05 Urano, a tiny brave.
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