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レトロを使ったマーケティング

先日大阪に行った際、阪急百貨店で開催されていた「スークフェス2022レトロを越えて レトロを遊ぶ “ニューレトロ”」というイベントに足を運んでみました。

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店内色々な「レトロ」に溢れた製品があり、タイプライターや黒電話といった、実物を見たことがなかったものから、平成初期に生まれた自分にとって世代ぴったりのものもありました。

時間がほとんどなかったため、じっくり回れなかったのが残念です・・・

レトロとマーケティング

さて、こうしたレトロに関する取り組みが、最近注目されています。

レトロなモノを見た際、「懐かしい」といった感情がわくことがあると思います。そうした懐かしさの感情をマーケティングに応用することを、「ノスタルジックマーケティング」と言います。

懐かしさと聞くと、その時代を生きた人が抱く感情と思われがちですが、実は若者世代がレトロブームを加速させていると言われています。

メディアにおいても、若者のレトロブームが取り上げられる機会が増えています。

実は、研究においても、ノスタルジックマーケティングに関する論文や書籍はいくつか発表されてきました。

例えば、以前もブログで紹介した「リノベーション・オブ・バリュー 負からのマーケティング」にも、ノスタルジックマーケティングに関する事例や研究が掲載されています。

また、マーケティングの著名な学術雑誌であるJournal of Marketig誌を見てみても、「なぜ歳をとった人ほど、古いブランドを愛するのか?」ということを検証した論文も掲載されています(※1)。

今後の課題?

さて、レトロが流行しているのは面白い現象だと思うのですが、疑問点もいくつかあります。

例えば、購買意欲・来店意欲に繋がりやすい製品要因の特徴はどういったものなのでしょうか?

「昭和」「平成」といった時代において、様々な製品やサービスが販売されてきました。

その中には、メディアでも取り上げられているような、若者世代たちを魅了する製品もあるかと思います。一方、懐かしさが喚起されない・興味を抱かれにくい製品もあるのではないでしょうか。

また、見るのは見てみたいけど、買うのはちょっと・・・といった特徴を持つ製品もあるかもしれません。

「快楽的な製品」「功利的な製品」など、分類の基準はいくつかありますが、多くの人が興味関心を抱く製品・サービスの特徴を見つけると、よりノスタルジックマーケティングに関する理解が深まるかと思います(※2)。

まだまだ研究テーマが多そうな分野だと思いますので、関心のある方は取り組んでみてはいかがでしょうか?

※1: Lambert-Pandraud, R., & Laurent, G. (2010). Why do older consumers buy older brands? The role of attachment and declining innovativeness. Journal of Marketing, 74(5), 104-121.
※2: 快楽的・功利的といった概念は、今後詳しく紹介します。

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