知覚過敏について説明します!!
はじめに
こんにちは。
「冷たいものを食べたり飲んだりすると、しみるんです。」
こういう症状で歯医者にかかる患者さんは多いです。そんなとき、「知覚過敏」という診断をされたことがある方は多いと思います。
この「知覚過敏」、歯がしみることというイメージはあると思いますが、そもそも原因はなんなのでしょうか。そして、予防する方法はあるのでしょうか。
その辺を中心にお話していこうと思います!
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知覚過敏のメカニズム
では、そもそも知覚過敏とは何なのでしょうか。
コチラの図をご覧ください。
このブログを読んでくださっている方は見飽きたかもしれませんね(笑)
歯というものは、一番外側にエナメル質というものがあり、その内側に少し軟らかい象牙質があり、一番奥のコアの部分に歯髄と呼ばれる歯の神経があります。
ここまではご存じの方も多いかもしれません。もう少し細かい構造を見ていきましょう。
エナメル質の役割は、歯の保護です。表面を硬い殻で覆うことで、硬いものを噛んですりつぶすとき、歯には想像もできないくらい強い力が働きます。そのような力から歯を保護しているのですね。
このエナメル質の内側にある象牙質の役割は、感覚を歯髄へ伝えることです。象牙質は、顕微鏡で見ると細かい穴がたくさん空いています。これを利用して、熱い、冷たいといった感覚を歯髄に伝えます。
普段皆さんが感じている熱い、冷たいといった刺激は、エナメル質、象牙質を経た、かなりマイルドになった状態の感覚なのですね。
さて、ではしみる場合はどんなときか。
それは、刺激が「エナメル質 → 象牙質 → 歯髄」というルートではなく、「象牙質 → 歯髄」というルートで伝わった場合です。
刺激が最初に加わるのが、エナメル質ではなく象牙質になった場合ということです。
どのような場合にそのようなことが起こるのか見ていきましょう。
・部分的にエナメル質が剥げてしまった
部分的に剥げたといっても、車の塗装が剥げたようなイメージではなく、細かい傷がついている場合です。エナメル質は非常に硬く、丈夫なのですが、傷つきやすいのです。
鉄をイメージするとわかりやすいでしょうか。鉄を折ったり割ったりするのは非常にしんどいですが、表面に傷をつけるのはわりと簡単にできますよね。それと似た性質があるのです。
エナメル質表面に傷がつき、水などが直に象牙質に到達する場所が増えてくると、だんだん今までなんともなかった冷たさのものが、しみるようになってくるのです。
実は、むし歯がしみる原理もほぼ同じです。酸によってエナメル質が溶かされ、細菌が象牙質に到達しているということは、その部分は表面を覆うというエナメル質の機能を失っているわけですから、当然しみるという症状が出てきます。
(むし歯のでき方をきっちりまとめた記事も作ろう、、、)
話を戻しますね。
このようにエナメル質が傷ついてしまう原因は、強すぎるブラッシング、硬すぎる歯ブラシ、粗すぎる歯磨き粉などです。
特に、歯を白くする系の歯磨き粉は、歯を白くするというより、含まれている研磨剤を粗くして歯の表面を削っている仕組みのものが多いので、使い過ぎには注意が必要です。
・歯茎が下がった
歯医者でたまに耳にする「歯茎が下がる」という表現。
これは、歯の表面の歯茎のラインが歯の根っこ側に落ちていくという状態を表しています。
歯の中でエナメル質に覆われている部分は、基本的には歯茎に覆われていない部分だけです。
つまり、本来は歯茎に覆われている部分が露出してしまうと、そこはエナメル質がないため、直に刺激が届いてしまうというわけなのです。
歯茎が下がってしまうのは、加齢変化の一つなので、人間であれば避けることができないことではあります。ただ、歯茎付近を強く磨くことでも歯茎が下がることはありますので、注意が必要です。
知覚過敏に対する治療法
では、実際に冷たいものがしみるという症状に対して、どのような処置をしていくのかを見ていきましょう。
・専用薬剤を塗る
知覚過敏専用薬剤を塗ることが最もオーソドックスです。
知覚過敏専用薬剤の仕組みとしては、露出している象牙質の表面を覆って刺激が直に届かないようにするというものです。ですので、時間が経ってその薬剤が剥がれてしまえばまたしみる症状が出始めてしまいます。
とはいえ、繰り返し塗り重ねることは可能なので、しみる症状が出れば塗る、ということを繰り返していくことになります。
・神経を取り除く
ほとんどの知覚過敏は、前述の対応します。ですが、それではあまりにも効果がなく、日常生活に支障をきたすレベルの知覚過敏が続いている場合は、神経を取るという処置をすることもあります。
知覚過敏に対して神経を取るというのは、歯科医師からするとかなりやり過ぎという感覚はあります。ですが、同じ冷たいものがしみるという症状でも、むし歯からくる症状であればそのような処置をすることはよくありますので、よく歯科医師の話を聞いて、自分の歯の状態を把握しましょう。
おわりに
ということで、知覚過敏についてご説明してきました。同じ冷たいものがしみるという症状でも、むし歯なこともあれば、知覚過敏なこともあれば、それ以外の場合もあります。
このブログで下知識を付ければきっと歯科医師の話も入ってきやすくなると思いますので、ぜひ役立てていただければと思います!
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
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