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心の使い方

僕が福祉の相談員として、介護員として、支援をする中でどんなことに注意しているのか、気をつけているのか、また、疲れそうになってしまうのか、を述べてみたいと思います。

【介護職・福祉職の心の約束事】(僕として)

①今、言われたことを忘れちゃいけない。
 何度も同じことを利用者及びスタッフに注意させてはいけない。

 「仏の顔も3度まで」と言われるように、何度もだと注意する方もされる方も疲れてしまうので、言われたことには気をつける。言われる内容はいい事も悪いこともです。忘れることがダメではなく、言われたことをまったく気にしていないのは、利用者は困ってしまう。

②痛い想いをさせちゃいけない。
 
自分が意識していないところで、不意にぶつけたりしないように、手や眼の位置を考えている。ということは、利用者の身体のこと、障がいのこと、生活のことを通しての「痛み」を理解している必要がある。

③何度も同じ失敗をしてはいけない。
 
失敗しようと思って支援していることはないけれど、うっかりして失敗してしまうことがある。

④時間を有効活用しようと、どういう動きをすれば手際よくできるかを考えよう。
 とにかく時間が大事。訪問介護では制限時間で動いていたり、施設介護でもしっかり時間がありそうで時間がない。やることがたっぷりということもあるが、限られた時間の中に詰め込んでいること(入浴介護等)もあるから、慌ててしまう。慌てないように動線を考え、作業の分割を考えたり、順番を考える。
 だけど、主役は利用者だから、介護者や支援者の思い通りにはいかない。というか、「思い通りに行く」ことを考えていること自体、介護者としてはいけないね。

⑤がんばりすぎないように「がんばり方」を考えてみよう。
 
「がんばる」ことの意味や目的を考えてみると、「誰のために」「何のために」では、「利用者のために」でもあり「自分のために」でもある。「利用者が頑張れるように自分が頑張る」でもあり、自分が無理しない「がんばり方」をしないと、利用者に対しての支援に活かすことができない。

⑥本人のペースを乱さないように、チームで行う時にもペースを気にしてみよう。
 ペースと言ってもいろいろ。みんなが同じ阿吽の呼吸ではないけれど、みんながお互いにやっていることを確認しながら、バランスを取っている。本人の動きを察しながら、何がいいのかをみている。
 でも、ペースを乱してしまうこともある。それは、あからさまに本人のペースがいつもと違っている。慌てていたり、挙動不審。そこに周りもつられてしまってペースを崩すこともありうる。

⑦利用者の身体(感触や体温)に触れて、心の状態を知ろう。
 本人の最初の一言で、体調や気持ちの変化を感じ取ろう。
 怒っていることも、泣いていることも感じ取る。温度と言うか、オーラや空気で感じることで、せめてマイナスのオーラだけでも本人から追い出そうと、寄り添って話を聞く。
 でも、触れているのはお互い様。介護者や支援者の心も利用者にも知られていることがある。
 隠すことはしないまでも、お互いに話題にしないことで「心の安定」を保っている。

⑧利用者と共に確立した支援の方法に自信を持とう。
 人から何と言われようと、長年の関係性が築いてきたものなので、他人からは分からないことがある。良いことかもしれない、悪いことかもしれない。試行錯誤しながら、日々変わるのも念頭に置きながら考えている。
 だけど、ひやひやした不安定な支援よりも、自信に満ちた支援の方が安心できる。

⑨何でもイエスマンになるのではなく、気になったこと、できないことを伝えられる関係になろう。
 
なんでも「イエス」だと、利用者は「なんでも聞いてくれる」と感じて天狗になることもあり、支援者は「ただ言うことだけを行なえばいい」となってしまう。
 そうならないために、言いにくいことかもしれないけれど、ちゃんと伝える。相手のことを考えてのことだから分かってくれるはず。

⑩見えていないからと言っても、油断してはいけない。
 
利用者から見えない位置にいることで、なんでも行なっていいわけではない。利用者は信頼して任せている、その信頼を崩すことを支援者はするだろうか。隠すことでスムーズに進めるかもしれないが、「何で隠さないといけないのか」と利用者は疑心暗鬼になる。
 見えていないからこそ、「利用者の目になっている」という責任を持たなければならない。

⑪どんなことがあっても動じないようにする。
 介護や福祉で利用者に接していると、びっくりしたり、「どうしてこうなるの?」と思うこともあるが、生活の中で起こっていることだから、びっくりするよりも、日常が進んでいく。
 ただ、表情に出さないまでもハラハラしているのも確か。
 動じてしまうことがあるとすれば、利用者の不安や悲しみから支援者に伝わった感情によって揺れ動いてしまうことがあると思う。


 思ったより、増えました。
 もしかしたら、まだあるかもしれません。

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