なんかおかしい。。。

 介護職員初任者研修のテキストに付属されている介護技術のDVDを見ていると、なんだかツッコミ所が多いものがある。

 利用者の状態で変わるのは分かるけれど・・・・

【違和感】
①利用者役とヘルパー役の体格が良すぎる。
 実際の利用者さんでは、プライバシーもあるので、モデルにはなりにくい。ただ、軽々と体位交換をやりすぎていると、簡単にできると思われがち。また、高齢者に身体の向きを変える時や車いすに移乗する時に「〇〇につかまってください」「力を入れてください」と声掛けすることもあるが、できるにしても、そんなに長く継続できるのかなと思ってしまう。
 四肢麻痺(全身麻痺)という状態のはずなのに「何でこのことができるんだろう」とも思う。

②居室を想定していないことが多い。
 生活の場面のはずなのに、なんで殺風景なんだろう?と感じ、「日用品が少ないんだ」「綺麗すぎるんだ」「生活感がないんだ」と思いました。掃除をすることや整理整頓することは介護業務の一つである。だけど、扉もない部屋やバリアを気にしていない「教室」だと実感がわきにくい。

③ベッドや浴槽の配置がおかしい。
 技術を見やすく、分かりやすくしているのは分かりますが、実際には壁があったり、ベッドや浴槽の四方に物がないのは、施設でも、自宅でもあり得ない。

④利用者があまりにも落ち着いている。
 モデルになっているのは、身体介助が中心で「車イスに乗れる状態」のことが多い。だけど、拘縮の強い方や、認知症高齢者や知的障害者で、徘徊や、多動の多い利用者のことはDVDでもテキストでも支援方法はあまり書かれていないことが多い。

⑤こんなにもゆっくりとやっていない。
 一つ一つの動作を分かりやすくするために、時間をかけているのは、分かる。だけど、現場ではそうはいかない。始めは、なかなか手際よくできないとしても慣れてくれば、素早くできてくる。
 声掛けも、一人一人へ丁寧に行っているが、いつもという訳にはいかないと思っている。

⑥背景やBGMが邪魔
 リズムをとっているのかもしないけど、DVDを観ている側としては、どうにも気になってしまう。 
 また、背景がなんだかモデルの服と同じ色だと重なってしまう。

⑦カメラのアングルが微妙。
 映像として見せる時には、手元が見えていた方が分かりやすいとは思いますが、全体を見せたい時もあり、そうすると遠くから撮すようになる。
 ただ、介助している背中(いわゆる後ろ)からの映像だと分かりにくい時もある。
 そうなってくると、介助している手元や視線が分かるようなDVDもあってもいいのかなと思います。

まとめ!

 介護技術は、講義やテキストやDVDだけで身に付くのではない。
テキスト通りにやっていたら、「痛い!」言われることもありましたし、「出来る!」と思っていたら、全然出来なかったこともありました。
 だからといって、何も考えずに先輩から「ここではこうしていたから」と言われたまましていても、いざという時の対応ができない。
 自分でも『どうすればいいのか』と考える。少しの力の入れ具合、角度、手際を調整すれば、負担は減ると思う。

 そして、目の前にいるのは「先生」である。何が良いのか悪いのかを顔色や言葉で教えてくれる。ベテランになっても同じこと。

 ここまでDVDを否定をしてきたけれど、介護技術のイメージをつけるには必要だと思います。出版社によっての見せ方、学ばせ方、重要ポイントを比べてみるのもいいかもしれません。
 「誰の視点で」教えようとしているのか、微妙に違っていたりします。

 なんか今回のコラムは、書いていい内容なのか、恐る恐る書いたので、まとまらなかったですね。

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