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この時代が懐かしい『踊る大捜査線 THE MOVIE』

最近『踊る大捜査線』ブームが来てますか!?
それとも単にフジテレビの宣伝攻撃に踊らされているだけなのか?

それもこれも、『踊る』シリーズの最新作にしておそらく最終作『室井慎次 敗れざる者』と『室井慎次 生き続ける者』が2ヶ月連続で公開されることを記念して、過去作をテレビドラマ、劇場版映画を一気再放送しているからです。

ドラマが始まったのが1997年。
とっくにバブルは終わったはずですが、何故かまだ社会の空気は元気だった頃。
踊るシリーズの主人公 青島刑事を演じた織田裕二が30歳。
役柄でも一度営業として会社員を経験した後に脱サラ(ていう言葉も懐かしいかも)して警察官になったという設定です。
僕が33歳なので少し年上ですがほとんど同世代と言ってもよいくらい。

実はドラマ版はほとんど見ておらず、翌98年に公開されたTHE MOVIEを見たのが最初。
その後、THE MOVIE2を見て、後はやはりほとんど観ていなかったかな。
だけど、オープニングのテーマ曲は耳に残っていたし、織田裕二が歌う主題歌もカラオケでよく歌っていた。
そして、なんといっても刑事ドラマとはいうものの、他の刑事ドラマではほとんど描かれなかった捜査にかかった経費の伝票精算など日々の細々とした雑務、上司にイエスとしか言いにくい雰囲気、正義より組織、警察組織といっても結局会社と同じ。
青島刑事は会社員の組織中心の考え方、新人営業なんて駒同然、上司におべんちゃら使っていれば出世できる、そんなのに嫌気がさして警察になったのに、そんな青臭い理想が吹き飛ばされそうになる中で、自分なりに価値を見出して現場で踏ん張る。
そんなドラマの語られ方に共感を持って、空気感は共有していた感じだった。

今回、ドラマ過去作も一気放映されるとあって、録画して見てみた。
すると知らないこともあって、今さらに新しい発見があって楽しんでいるのだけど。
例えば、まだ初々しい水野美紀演じる雪乃さんが最初は事件被害者の娘さんとして湾岸署の面々と知り合ったこと。
なにしろ、THE MOVIEから観たので交通課か警官から掲示になったことしか知らなかった。
例えば、青島と室井の最初に知り合った事件とお互いを認め信頼関係を深めていくところ。
いきなりTHE MOVIEだとその辺りのニュアンスが分からなかったから、なるほどそういうことかと納得したり。

例えば、青島といかりや長介演じる先輩刑事和久さんとの関係。
例えば、青島と深津絵里演じるすみれさんとの関係。
これらも出会いからどういう事件を通して信頼を深めていったのかが理解できた。

その上で、先週放映のTHE MOVIEを再視聴して感動したり。

そして、1つ言えるのは、やっぱり『踊る大捜査線』シリーズは織田裕二の青島刑事がいてこその作品だということ。
彼がどんな風に刑事として、そして1人の人間として成長していくのか、それを見届けるのが楽しかったのだと再認識した。

もちろん、所轄と本店の力関係に歯ぎしりをして、警察官僚たちの権力争いのバカバカしさを嗤ったり、所轄の面々のどこか諦めを持ちながらも市民に寄り添う暖かさや、スリーアミーゴスをはじめとした令和の今だとギリギリアウトな感じもある、だけどセンスのよいテンポと間の素晴らしいコメディとしての要素。
全てが素晴らしいけれど、それもこれも中心に青島刑事の活躍があるから。

だからですよ、青島刑事の出てこない室井慎次が主役の踊るシリーズはあくまでもスピンオフなわけです。
フジテレビがそこまで久しぶりの踊るシリーズだと煽ることはないんだと、そう思います。

(まぁ彼らも織田裕二=青島刑事のいない踊るは小豆の入っていないぜんざいと同じだと思っているからこそ、ここまで盛り上げようとしているのだろうけど)

なんてことを言って水をさすのも申し訳ないので、黙って昔の良かった日々を思い出しながら再放送を観ようと思います。

今夜はこれから『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ! 』が地上波で放送されるので、正座してテレビの前で待ってます。

<了>

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