
世界の終わりと終末論
別冊ele-kingの最新号が来たので読んでる。
世界の終わりと終末論。
巻頭特集は『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』
(やけに長いタイトルだなと思ったが、意外に語呂が良くて口に馴染む不思議)
まぁ正直このマンガ『デッドデッド・・』は知りませんでしたよ、年代的に。
(そもそもが昔から熱心なマンガ・コミックファンではなかったので)
あぁ、なんか映画化されて流行ってるみたいだなぁ、とは思っていました。
『ガンダム』も『攻殻機動隊』も、なんなら『AKIRA』も読んだことない。
『エヴァンゲリオン』だって、シン・エヴァンゲリオン劇場版が話題になっていたので、ちょうどamazonプライムに過去の作品も来ていたので後追いで劇場版を観てから入った、そんな感じ。
なにしろ昭和30年代生まれだから、『マジンガーZ』、『デビルマン』、『009』、それから『キカイダー』、『バロム1』、『マグマ大使』、『レインボーマン』それから仮面ライダーシリーズとウルトラマンシリーズ。
そんな昭和の特撮ヒーロー物世代だから。
(毎週出る漫画雑誌なんて高くて買えない)
『デッドデッド・・』に話を戻すと、
いきなり日常生活をおくりながらも地球外生命体が襲来してきて確実に終末が近づいている設定。
この特集を読んで俄然興味が湧いてきました。
読んでみたいが、コミックが全12巻か。。
アニメシリーズは18話。。うむ、ハードル高いな。
劇場版は前後編2本。
よし、Blu-Rayが来月発売だったら多分配信もそれくらいなんだろう。
劇場版をまず配信で観よう。それからだ。
原作者の浅野いにおさんのインタビューも載っていて、
浅野さんが1980年生まれで、ちょうどノストラダムスの大予言で
「1999年 7の月、空から大王が降ってくる(みたいな感じだったかな)」
という予言で地球が滅びるという!というムードで20歳。
ビシビシと世界の終わりを感じていたらしい。
なるほど。
1999年は僕は35歳。
中年期に差し掛かっていて、確かにノストラダムスの大予言は気になったが、それよりも IT業界に就職していたため翌年の2000年問題の方が大の関心事であり、対峙しないといけない目の前の懸念事項でもあった。
2000年問題が気になっていたということは、つまりは1999年7の月には地球は滅びないんである。
そんなこともあってか、正直僕はこれまで世界の終わりや終末を考えたことがほとんどなかったと思う。
むしろ、ずっと生き延びたいという思いの方が強かったと思う。
いや、違うな。
生き延びたいという以前に、クソのような少年時代を乗り越えて普通の暮らしを手に入れたい、そんな風に思う心の方が強かった。
ささやかな上昇志向ってやつだ。
今よりはいい暮らしをしたい。
結婚して、家族を持って、子供を育てて。
なので、「将来どうなるんだろう?」という漠然と未来に不安はあったけれど、そこはバブル期に青年期を迎えた世代特有の「なんとかなるさ」というお気楽さと無条件に「明るい未来を信じている」という感覚があったのかもしれない。
それって、今から思えばお気楽だよな。
ところが、現代はどうだ?
正直かなりヤバい。
ヤヴァいって書いてもいい。
きな臭い。
だけどだ、哀しいことに(もしくは脳内お花畑だねって喜ぶべきことなのか)、どこかでまだ未来を無条件に信じているとこらがあるのかもしれない。
ウクライナ戦争やガザの襲撃の報道が日常になっていても、
まさか、この日本はそんなことには巻き込まれないよな、と気楽に考えているし、
映画『シビル・ウォー』で観た内戦が海を渡ったアメリカで起きるなんてがほとんど冗談だろ、とは言えないような雰囲気があり、ひょっとしたらトランプの作った国内分断から、何か起きるかも?とどこかで思いつつも、
「でも、あれってフィクションだからね」と言い聞かせていたり、
北朝鮮の度重なるミサイル発射だって、
陰謀論とか関係なしにどこかで茶番じゃね?と思い込もうとしている。心の底では「計算間違えて日本海ちょっと通り越したりしたら国土直撃でヤバくない?」とか思いつつも。
(安倍政権時代の緊急アラートが茶番に拍車を掛けたのは間違いない)
東日本大震災と津波と福島原発事故、その後の能登半島沖地震
この辺になってくると流石に対岸の火事ではない。
どうやら政府は事が起こっても真面目に我々を支援してくれなさそうだぞ、という疑念がリアルになってきている。
そして、富士山噴火や南海トラフ地震の確率の高まりを日々煽られてきている。
トランプがアメリカ・ファーストで内政に注力することで、東アジア情勢の均衡が一気に崩れて緊張が走る、なんてこともありそうになってきた。
ますます、ヤバい。
それでもどうだ。
お前は終末を感じないのか?
世界の終わりは来ないと本当に思っているのか?
うん、それでも心の底ではそこまで人間って愚かじゃないって信じたいと思っている。
普段、シニカルな目で世間を見ているくせに笑っちゃう。
いや、ひょっとしたらこんな態度こそ究極の現実逃避なのかもしれない。
やっぱり世界の終わりだ。
それでは最後に聴いて下さい。
ミッシェルガンエレファントで『世界の終わり』
<了>