見出し画像

トナラーを見た

いやぁ、いるんですね本当に、トナラー。

トナラーは、すぐに人の隣の位置に来るような人のこと。電車やバス、駐車場、映画館、サウナ、トイレなどでトナラーが見られる。トナラーは、他の場所が多く空いているにもかかわらず、すでに誰かがいる場所の隣にわざわざ位置取る。

Wikipedia「トナラー」より抜粋

そういう人がいることは聞いたことがあります。
ですが、これまで自分の目で見たことがありませんでした。

自分は少しでも他人と離れてポジション取りしたいタイプなので、にわかにはこのトナラーという生態が信じられませんでした。

ですが、今日午後から都心での打ち合わせに外出する車内で遭遇しました。

埼玉方面から都内へ向かうJR上り電車。
乗り込んだ車両は時間帯的なものなのか、たまたまなのか、先客は5-6名がかなりばらけて座っていました。

そして、真ん中前方側の一列(7人掛け)真ん中辺りに2人の女性が並んで座っています。
その前の列の端の座席に1人だけ座っていたので、反対側の端に着席します。
すると、ちょうど右前方にその2人組の女性を見る位置になりました。

最初、その2人は知り合いかと思っていました。
年齢は40から50手前くらいかで同じ年頃なのですが、どうも雰囲気が知り合いぽくない。
服装の感じも違うし。
(だいたい友人・知人同士って似たような服装の感じになるますよね)

1人は外勤のようなキレイめのブラウスにスカート、黒いブリーフケースのようなものを持って本を読んでいる。

隣のもう1人の女性はもっと砕けたというか、近所のおばちゃんがそのまま乗って来た感じで、最近流行りのハンディ扇風機の風を顔に当てている。

そして、全くお互い顔も合わせないし話もしない。

うん、これは間違いなく赤の他人なのだが、どうしてこんなガラガラの車両にわざわざ隣同士で座っているのか、妙な感じです。

ガン見すると失礼なのですが、気になってスマホを見ているな顔して、目だけでチラチラと様子を伺います。

どうやら、キチンとした女性の方が少し居心地が悪そうな雰囲気です。
あからさまに嫌な顔をしているとか、身体を反対側に避けるとかではないのですが、
本を読んでいる姿がどうも集中していないというか、なんとも思ってませんよ、という冷静さを装っているような風にも見えてきます。

ま、勝手な妄想なんですが。

これはあれだな。
僕が乗るまでは、もうちょっと混んでいて、途中でみんな降りてしまったのかもしれない。
そして2人だけ間が悪く隣同士に残ってしまったけれど、席を移動するのもおかしいので諦めたのかもしれない。

そうも考えたのですが、少なくとも僕が乗った駅の前4駅くらいには平日の午後に大量の乗客が降りるような駅はなさそうなんです。

ひょっとして、これがトナラーってやつか?
だとすると普段着風の女性が怪しいな。

これも勝手な想像です。

それから2駅目の他路線乗継駅で、トナラー認定の普段着女性の方が降りていきました。
残ったキレイめ女性も同じタイミングで立ち上がり、同じ列の端(僕の正面になります)に座席を移りました。
その駅では十数人乗って来て、トナラー発生もしにくいくらいには座席がまばらに埋まってしまいました。

あれは、トナラーなのか?
もしそうなら、トナラーは男性が若い女性の隣にポジション取りするばかりかと思っていたら、そういう訳でもなさそうです。

窮屈じゃないのかな。
誰かの隣じゃないと不安なのか。
不思議です。

〈了〉

いいなと思ったら応援しよう!