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対話型交流会の足跡

なかなかまとめられずにいましたが
異動することなりましたので
備忘録的に対話型交流会の足跡を。

対話型交流会とは。
足利出身者や足利へ移住したい人たち
足利にゆかりのある人たちが集う交流会です。
足カフェという名称で開催してきたので
そちらの方がお馴染みの方もいらっしゃるかと。

実は他市町では意外にこう言った会はないんです。

え?どういうこと?と思われるかと思いますが
他市町で開催しているのは
・移住希望者向けのセミナー
・県などが主催し他市町と一緒に参加するパターン
・オンラインでの開催
などなど。

単独市町が対面で交流することに重きを置く会で
しかも継続し、参加者も毎回二桁。
実際に参加された方にはわかってもらえるのですが
『足利』をテーマに集まっているので
参加者同士とにかく話が弾み、
リピーターとして次の回も参加してくれる方もおり
自然とコミュニティが生まれています。

そんな足カフェのこれまでをご紹介します。

1回目

開催日:平成28年3月
会 場:平安工房(神保町)
テーマ:足利のまちなかで活動している人
ゲスト:中村実穂さん(mothertool)
   大竹麻実恵さん(うさぎや)
   矢口裕さん(はいせんクラブ)
   あと、わたし


はじめての開催ということで
どうなるか心配でしたがゲストみんなで
東京方面にいる人たちに声をかけ
無事に開催することができました。
会場はmothertoolさんと繋がりのある
平安工房。とっても素敵な空間で
終始和やかに話が弾み、
参加者からは行政っぽくない!と
好評をいただきました。

会場の選定やゲストの組み合わせや
ゲストがどんな話をどんな風にするか?
ってとても大事で、
それにより参加者同士、どれだけ話が弾むかに
つながるなと体感しました。
どうしてと行政が開催するものは一方的で
硬くなりがち。そうすると参加者同士で
話が盛り上がることなんて到底無理かと。

参加者の中には後に足利へ移住し、北仲通りに
たびするおでんもっくもっくをオープンする
木村さんご夫婦や、
あしかが輝き大使になられた薮崎さんも
いらっしゃいました。

その後、企画政策課へ異動となり、
対話型交流会を運営する側になりました。

1回目の評判が良すぎたので2回目は
どんなふうにしようかとても悩みました。
今回はどんなテーマで開催しようかな?
ゲストは誰に頼んだらいいかな?
会場はどこにしようかな?
前回は最初だから来てくれただけで
次は来てくれるのかな?
そんな悩みながらの開催となりました。

2回目

開催日:平成28年9月
会 場:まるごとにっぽんイベントブース(浅草)
テーマ:足カフェに参加し足利と関わりが増えた?
ゲスト:薮崎友宏さん(後、あしかが輝き大使)
   木村勲武さん(後、もっくもっく)
        山田夕湖さん(後、つなぐつむぐ会)


東京で大きな会場を借りるのって費用もかかるし
なかなか大変なこと。
そこでシティープロモーション担当が開催する
PRイベントに間借りする形で開催しました。
ゲストは一回目に来てくれてその後足利との
関わりが増えた人たち。
参加された皆さんはゲストトークに興味津々。
みんな自分の生まれたまちに関わりたいと
潜在的に思っているもの。ホッとしました。

後に八蔵をオープンする梁川健人さんとの出会いは
この足カフェでした。

参加された方達から
ゲストトークで足利の魅力はわかったので、
実際に足利へ行きたい!
案内してほしい!
できたら足利の仕事を紹介してほしい!
など声をいただいたので
足利を案内するツアーを計画することになりました。

3回目

開催日:平成29年1月
訪問先:朝日染色、深井製作所、つちのかでランチ、
まちなか遊学館
ゲスト:塩見和彦さん(後.門前マルシェアドバイザー)
         本田和正さん(移住者)
   三木素子さん(アトリエmado)

移住の1番の壁は仕事。
そこで大正時代創業の朝日染色へお邪魔し
ハンドプリントの職人技を拝見し
溶接ロボットなども稼働する先端的な工場
をもつ深井製作所。
アパレルと自動車部品、足利の新旧産業の状況を
参加された皆さん見入ってました。

その後、まちなか遊学館での交流会。
移住担当となり最初の移住者である本田さん、
数年前に移住され、
子ども向けのアトリエ造形教室をやっている
三木さん、
二地域居住から名草地区へ移住された
アンティークなどを扱い、東京と足利を
行ったりきたりしている塩見さんから
それぞれお話しをいただきました。

4回目

開催日:平成29年9月
会 場:ふるさと回帰支援センター
ゲスト:木村沙和さん(地域おこし協力隊)
         山下彩華さん(地域おこし協力隊)
         梁川健人さん(八蔵)

東京交通会館(有楽町)の8階に全国の道府県が
移住窓口を開設しています。
栃木県ブースにいらっしゃった遠藤さんが
出産を機に辞め、後任の生田さんとなったので
生田さんにも足利の魅力を伝えたいと思い、
初めて任用した地域おこし協力隊のおふたりと
前回、足カフェに参加し足利への移住間近?の
梁川さんにはコーヒーを淹れていただきました。

おいしいコーヒーを飲みながらの会は
とても和やかにそしていい香りがしました。

5回目

開催日:平成30年2月
訪問先:足利印刷、エコアール、荒川屋でランチ、
北仲通りの飲食店など
ゲスト: 北仲通りの飲食店店主(木村さん、
新井さん、福田さん、梁川さん)

3回目に続き、足利の働く場見学会。
活版印刷機などもある歴史ある足利印刷では
デザイナーを募集していたり、
エコアールは解体業から部品小売を始めたり
海外とのやりとりもあったりと
実際に訪れてみないとわからないことばかり
だと改めて認識させられた見学会でした。
また2回目のゲスト木村さんが
たびするおでんもっくもっくをオープンさせた
北仲通りにはベーカリーふくやがオープンし、
スパニッシュイタリアンTSUMIKIオープンに
向けてリノベーション中だったり、
4回目のゲスト梁川さんが喫茶八蔵オープンに
向けて仕上げ工事中だったりとまちのリアルを
感じられるまち歩きツアーになりました。

6回目

開催日:平成30年9月
会 場:SODASTUDIO(浅草)
ゲスト:曽田耕(革靴職人)
         久保千明さん(移住者)
         会田由紀子さん(移住者)

浅草で革靴職人として暮らす曽田さんが
二地域居住の場として足利西宮に住居を購入
してくれたので、曽田さんのアトリエ兼住居で
開催させていただきました。
曽田さんの移住相談に応じたのは
地域おこし協力隊の山下さん
その山下さんの退任が目の前だったので
山下さんと交流のある移住者の二人に
ゲストをお願いしました。
地方は女性の転出が目立ちます。
久保さんはスキルを生かした
建築系のお仕事につき、
会田さんは野球のライターとして
テレワークも併用して働いています。
曽田さん含めてさまざまな働き方があるなーと
参加者の皆さんも感慨深い感じでした。

そうそう翌年地域おこし協力隊となった
後藤さんは、この会に参加したことが
足利への移住のきっかけとなったそうです。

7回目

開催日:平成31年1月
訪問先:昭栄家具センター、UTエンジニアリング、
日東産業、ふるさと交流館、T&M、名草の空き家
ゲスト:塩見和彦さん(名草移住者)

移住希望者に人気の名草エリア
インターパーク内の企業に協力いただき『働く場』
空き家バンクがスタートしたことから
名草の『すまい』として平屋の空き家を2軒、
そしてふるさと交流館で移住者の塩見さんから
また、T&Mへ移動し岩下さんにも
名草暮らしのリアル生活をお話しいただきました。
この時に案内した空き家Aは鶏を飼いながら
里山暮らしを満喫しているあの方のおうちに。
また空き家Bはコロナ禍テレワーク可となったことで
ふるさと名草へUターンを決意したあの方の新居が
できるまでの借り住まいとして活用されました。

8回目

開催日:令和元年9月
会 場:映像制作会社MOI(渋谷)
ゲスト:大竹真二さん(MOI、V-CON代表)
         後藤芳枝さん(地域おこし協力隊)
         秋山佳奈子さん(地域おこし協力隊)
         中村広菜さん(地域おこし協力隊)

平成30年11月に
足利出身の大竹さんが、足利にCGを制作する
映像制作会社v-conを開設されました。
映像のまちを掲げていた本市にとって嬉しいお話
そこで大竹さんが社長を務めるMOIを会場として
お借りし開催させていただきました。
大竹さんの声かけで都内にいる足利出身の
映像関係のお仕事をされている方も参加。
やはり会場やゲストの選定って大事だなと
思った会でした。

令和2年冬のツアーは計画していましたが
新型コロナの流行のより中止となりました。
いやー対面を売りにしていた対話型交流会
コロナには悩まされました。
オンラインだと効果はあまり期待できないし
けど、参加される方もいろいろと不安だろうし
どーしよー。

9回目

開催日:令和2年11月
会 場:足利市民会館
ゲスト:菊地陽向子さん(インターンシップ参加者)
         後藤芳枝さん(地域おこし協力隊)
         秋山佳奈子さん(地域おこし協力隊)
         中村広菜さん(地域おこし協力隊)
         木村沙和さん(地域おこし協力隊)
         上岡雄幸さん(地域おこし協力隊)
         早川恵理子さん(ゲストハウスわ家)

コロナ禍、移住の需要も増えているのに
開催できないでいましたが、
足カフェは移住後のコミュニティ
にもなりつつある会でした。
コロナ禍、地元への就職を考える
一人の大学生に出会いました。
菊地さんはインターンシップを望んでいたものの
コロナ禍どこも受け入れてくれない。。。
そこで秋頃、
地域活動に奮闘する地域おこしの活動に参加する
インターン生として受け入れました。
そんな菊地さんがインターン終了後、
参加して足利の事学べてよかったと。
一方で足利に同じようなことを考えたり、
思ったりする若い人っているのか?
そう言った人たちとお話してみたい!と。

そこで、菊地さんにゲストになってもらい、
足利で暮らす若い人たち(30歳以下)向けの
交流会を企画しました。

参加者は高校生、高校の先生、大学生のほか
Uターンして家業を継いでいる人などさまざま。
そして会場は解体が目前の足利市民会館でした。
会場内はとてもいい雰囲気でマスク越しだけど
とても暖かい会となりました。

その後、菊地さんは市役所へ入庁し、
移住担当として勤務することになるとは
この時、誰も予測していなかったと思います。

10回目

開催日:令和4年2月+3月
会 場:キューズ(渋谷)
ゲスト:佐川恭平さん(テレワーカー)
         後藤芳枝さん(地域おこし協力隊)
         速水一樹さん(アーティスト)
         秋山佳奈子さん(地域おこし協力隊)


これまで手弁当で企画、運営してきたこの会も
ようやく予算がつき、委託することができました。
せっかくならといろいろ調べているうちに
超帰省という活動をしている方に出会いました。
自分の地元じゃないと帰っちゃダメなの?を
テーマに各地域にアンバサダーをおき、
地域ともっと密接に関わるプログラムを
企画運営している関係人口プログラムの
先端のような人たちでした。
そこで超帰省の力を借り、
拠点としているキューズで交流会を開催し、
その後、超帰省が開催しているような
地域体験プログラム(ツアー)を盛り込むという
カタチで計画しました。

交流会では地域おこし協力隊と関わる移住者が
相互に掛け合いしトークを盛り上げてくれました。
このプログラムは栃木市の地域おこし協力隊を
卒業された遠藤さんご夫婦に力をお借りしたことで
企画や運営、そして進行もとてもスムーズに
開催することができました。

またツアーは観光的な要素は取り除き、
地域おこし協力隊が奮闘する現場を
思う存分体感してもらおうと
1日目はリノベーションに参加してペンキ塗り
2日目は稲作の第一歩堀さらいで汗まみれ
そんなプログラムとなりました。

そして

11回目

開催日:令和4年12月+2月
会 場:クリーマ(渋谷)
ゲスト:赤坂京香さん(インターン生)
         星野天音さん(インターン生)
         林朝子さん(地域おこし協力隊)
         津久井翔さん(移住支援員)

足利ってどんなまち?
と言われて答えられますか?
山があって川で横断されていて、
ん?これって?
自動車製造会社の本社があるようなまち
ではないし主産業が何か?というと
さまざまな業種があるし
農業だってバランスよくいろいろなものを
作ってるけど日本一というような
特色があるわけでもないし
かつては織物のまちというけど
今も続けている方もいらっしゃいますが
一大産業というわけでもないような。。。

7年移住担当をしてきていろいろな方から
移住相談をされて回答に困ってきた
私なりの回答は、かつては
織物のまちとして日本一の生産高となったまち。
その頃足利の名産は足利銘仙。
小ロット多品種で可愛くポップで
斬新なデザインを取り入れ、
女優さんを使ったポスターを作り、
足利音頭のレコードを作るなど販促にも力を入れ、
東京からの取引先をもてなすために花火を上げ、
小料理屋もたくさんあり、芸者さんもいました。
その影響なのか洒落た洋服屋さんがあり、
自家焙煎などの珈琲屋さんがあり、
田舎にはないような文化が溢れているまち。
人口は県内4位だけど、工業出荷額は9位くらい?
けど事業者数は宇都宮よりも多い県内1位のまち。
昔から今も、大きな会社があって引っ張っていく
というより、感性を活かし、
みんなで協力しながら、
自分が得意なことを生業として稼いでいく
そんなまちなのでは?

現にゲームを製作している人も、
映像制作をやられている人も、
デザインをやっている人も、
アパレルを立ち上げた人も、
うーん。
なんてクリエイティブなまちなんだと思うのです。

そんな中、
ハンドメイドクリエイター作品を購入・販売できる
サイトを運営しているクリーマの方と出会い、
お話しをする中で、
・クリエイターの中にアトリエなど製作の場所を
 ほしいと思っている方がいる
・地方での生活を欲する人の多くは他方で製作が
 できる環境があるのか不安に思っている
・協力してくれる企業があったり、生活していく為
 仕事はあるのか?

これって足利に向いているような気がする!
そんな流れからクリーマと連携してプログラムを
企画スタートしました。

12月のツアーには
オリジナルでモビールのプロダクトを手がけるmothertool、
130年以上前から家具作りをする建彦木工、
アルミを加工しオリジナルブランド(alart)を
立ち上げた丸信金属工業の工場見学と
シルクスクリーンのアトリエが併設されている
大久保分校スタートアップミュージアムのほか
市内の空き家をリノベーションして事業を始めた方
などを訪れる内容で開催しました。

2月にはクリーマ本社にて
対話型交流会を開催し夏にインターンシップに
参加した大学生ふたりと
地域おこし協力隊の林さんから
足利の魅力を発表してもらい、
参加者同士の交流を。
進行は元地域おこし協力隊の木村さんが勤めました

こうやって
対話型交流会足カフェは11回続けてきました。

【まとめ】

この対話型交流会は参加者がいつのまにか
ゲストになったり、
これをきっかけに関係人口になったり、
参加者同士で事業が始まったり、
そして移住したり、移住者からの相談に応じたり
さまざまな化学反応が起きています。

実は足カフェという名前は
あまり好きではありませんでした。
けど先輩が作った名前だったことと、
参加者の皆さんには認知されてきていたので
これまで使ってきました。
大切なのは名前ではなく
中身ではないかな?と思っています。

毎回旬なニーズを捉え、場所を選定し、
その場に合ったゲストをお願いすることで
参加者の皆さんがリピーターとなり
ファンになっていただけたのでは?と
思っています。
きっと参加してくれた方たちによって
今後も言い伝えられていくのではないかな?
と思います。

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