絵描きのまちづくり|夏休みの宿題
最後に残るもの…
「お父さん手伝ってよ」
「俺は無理や…」
と言われて母と描いていた記憶。
そう、夏休みの宿題で最後に残るのはいつも絵画でした。
今日は地元で始めたボランティア活動のお話。
公民館でできること
こう見えて(?)市PTA協議会の会長をしていた僕は、当時は市社会教育委員会や公民館運営審議委員会という会議にも出席しておりました。
自治体の限られた予算の中で公民館を活性化し防災拠点としての公民館の認知も高めたいと思い、自分にできることを探しました。
子どもを集めよう
当時の僕が持っていた公民館のイメージは「高齢者が集う場所」。
地域の方々がわざわざ市役所に出向かなくても相談できる窓口があることは大事なこと。そして生涯学習の場として様々な習い事があることは素晴らしい。
でも、いつ行っても高齢者しかいないイメージ。
なので、子どもイベントを企画しようと閃きました。子どもが来れば親もセット。子育て世代の方も年に1度来れば防災拠点として公民館を認知できるはず。。多世代に公民館を利用してもらいたい。
ニーズと出会う
「先生、子どもの絵画教室してもらえませんか?」
子どもイベントを思いついたものの委員会がイベントを企画する訳もなく1年ほど経った頃、地域の公民館からいただいた電話。当時、幼稚園等の指導者実技講習会等に呼んでいただいていた僕に舞い込んだ相談。
毎月指導するのは大変なので夏休み特別企画「子ども夢づくり講座」のひとつとして公民館講座のお手伝いをさせていただくことに。
子ども夢づくり講座
そんなこんなでスタートした公民館主催の夏休み絵画ワークショップ。
Facebookの記録を辿ると2016年から開催しているようなので今年度で9年継続できたよう。新型コロナウイルス感染症の流行により大幅に縮小したが、現在は市内3公民館で年間70人ほどの子どもたちに指導している。その様子をご紹介。
絵画は苦手?
絵が苦手という日本人はとても多い。これを話し出したら話が脱線するのでここでは話さないが、この講座に参加する子どもたちの半数以上は苦手意識を持っている。
楽しもう
「教科書を読みなさい」と言うと嫌がるが、「マンガを読みなさい」と言うと喜ぶ。楽しいことはできるのだ。だから絵を描くことが楽しければ苦手意識はなくなる。
この講座の目的は楽しく描くこと。
楽しく描くためには話をできる関係性になることから。リピーターの子どもたちが一気に距離を縮めてくれます。笑
聴き出す
苦手意識の中には、
・何を描いたらいいかわからない
・どう描いたらいいかわからない
・そもそもなぜ絵を描かなければならないのかわからない
という技術以前の問題も多い。子どもたちが何をどう表現しようとしているのか、まずはコミュニケーションを取りながら聴き出す。
楽しく描く
何をどう描くかが決まればあとは描くだけ。
できるだけ楽しく描けるようにサポート。
小学校1年生から6年生までいるので発達段階も集中力も違って指導法は異なるが、共通しているのはしっかり褒めること。自身が工夫して上手く描けた部分を褒められると嬉しくなる。
絵画は楽しい
苦手意識を持ちながら参加した絵画ワークショップも終わってみればみんな笑顔。
上手に描けた夏休みの思い出は、ご家庭でも褒められ嬉しい成功体験となる。
9年間の継続のなかで、「私も先生のような絵の先生になりたい」と夢を持ってくれた子どもが現れたことが忘れられない。
一方で、誰もがプロを目指す訳ではないので上手く描く必要はない。日記を描いたり歌を口ずさんだりするように、自分の気持ちを楽しく表現できるようになってほしい。
これからも絵画で地域の子どもたちの笑顔が輝きますように。
仲間に感謝
このワークショップは、個々人の気持ちを聴き出すことから始まる。
大勢の子どもたちと同時に語り合うことはできないので、欠かせないのがサポーター。
アーティスト仲間・芸術高校のPTA会長をしていた頃の生徒さんたち・絵画教室の生徒さんたち、多くの仲間にサポートしていただき手厚い指導ができている。
みなさんに感謝です。