見出し画像

そもそも「ウェブマーケティング」ってなんだ?

世の中、みんなが当たり前のように使っているけれど、実はほとんどの人がぼんやりとしか定義/理解できていない言葉がある。

「ウェブマーケティング」
も、そんな言葉の1つな気がする。

話す人によって、それはウェブ広告のことだったり、SNS施策のことだったり、はたまた自社サイト上におけるコンテンツマーケブランディングのことだったり。

ウェブマーケティングについてブログを書いたり、たまに偉そうに企業にアドバイスしたりしている私自身も、ふと改めて考えるとしっかりと定義出来ていないのかもしれないと思ったりする。
(例えば、大学受験のように「"ウェブマーケティング"について、30字以内で簡潔に説明せよ。」と言われたら、満点取れるか自信がない、、)

ということで、自分なりに整理してみたいと思う。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ウェブマーケティングとは、ウェブ上で行われるマーケティングのこと」

間違ってはいないけれど、試験だったら100点満点中5点くらいだろう、、
こう書いてみると、そもそも「マーケティングとはなんぞや?」という点について、整理できていないことに気が付く。

ピーター・ドラッガーの『マネジメント』によれば、
「マーケティングの理想は、販売(セールス)を不要にすることである」とある。

うむうむ。
となると、今度は「セールス」の意味をしっかり定義する必要がある。


ぱっと調べてみても、統一的な定義はなかなか見つからなかったけれど、共通して出てくる言葉は、"課題"や”問題解決”という言葉。それを踏まえて自分なりにまとめると、
「セールスとは、顧客との(直接的な)コミュニケーションの中で、顧客の抱える課題に対し解決方法を提案する一連の行為」と言えそう。

じゃあひるがえって、マーケティング=「(理想的に機能すれば)セールスを必要としなくなるための一連の行為」と考えると、
それは「顧客との"間接的な"コミュニケーションによって、"効率的に"顧客の抱える課題に対し解決方法を提案する一連の行為」と定義できるのかもしれない。

この「"間接的"なコミュニケーションの"効率性"を追求する」ことが、マーケターのやるべきこと。

さらにいうと、この「"間接的"なコミュニケーションの"効率性"をウェブによって向上させようという行為」がウェブマーケティングの意味、定義なのかなと思う

ただ、忘れちゃいけないと思うのは、最終的にやろうとしていることはセールスと同様「顧客の抱える課題に対し解決方法を提案する」ことであるということ。

というのも、しばしば企業の"ウェブマーケティングの相談"を受けたりしていると、「顧客の課題」と「それに対して自社が提案しうる解決方法」は何なのかという本質な問いへの答えをない状態で、
「SEOはどうやればよいのか?」や「ウェブ広告ってどんなメニューを実施すればいいのか?」などの手法ありきで話が進むことがある。
これは上述のウェブマーケティングの定義からすると、やっぱり考える順番が逆。

そういう時に改めて仕切りなおして議論の出発点にするのは、結局
「私がお客さんだとしたら、あなたは今この場でどんな風にこの商品/サービスを売り込みますか?」ということ。

そういう話をすると「いや、今そんなこと聞きたいんじゃないから」といわれることもあるけれど、
ウェブマーケティングの各手法は、あくまでその"売り込み(セールス)"を、ウェブの仕組みによって拡張し、効率化するもの。なので、この問いにクリアに答えられるまでは具体的なウェブマーケティングの手法のはなしはするべきじゃないと思う。

ただ、厄介なのは、いわゆるウェブマーケティングの手法が高度化し、それこそAIとかが入ってきて、どんどん間接的に・効率的に行おうとすればするほど、いわゆるウェブマーケティングの担当者からは"顧客の顔"が見えなくなってくるということ。

それを防ぐためにペルソナを設定したり、カスタマージャーニーを書いてみたりするわけだけれど、特に大きい組織であればあるほどこの弊害が大きくなる。
これはもう不可逆的な流れだと思うので、これからのマーケターは「実際にセールスする経験」を持てるかというのを自分のキャリア設計上意識していかなければいけないのではとさえ思う。

話は飛ぶけれど、米国のD2Cブランドのほとんどは早期に実際のリアル店舗をオープンし始めるのも、顧客向けのUX拡充という意味だけではなくて、対内的な理由(主戦場であるウェブマーケティングの効率を最大限高めるために、マーケターが常に"顧客の顔"をみえるようにしておくということ)もあるのかもしれない。

私自身もこれから自社のD2Cブランドを立ち上げウェブマーケティングを行っていく上で、なかなか直ぐにリアル店舗は持てないけれど、Pop-upストアなどで出来る限りセールスする機会="顧客の顔"を見える機会を確保していきたいと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?