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運動会のダンスや応援歌を覚えてる?

たまに娘とLINEでメッセージを遣り取りする。
ときに、それは妙に愉快な気分にさせてくれる。

いつだったか、こんな内容のメッセージが届いた。
「ねえねえ、小2の運動会のダンスってなんだった?? 覚えてる?」
なんだなんだ。
娘の小学校卒業から、もう15年くらい経っている。
LINEの画面には娘の吹き出しで、小1はコレ小3はアレ…と、小2以外の団体プログラムが並べられる。
実に懐かしい。
私はすぐに記憶の扉を開け…ても何も出てもないので、収納の扉を開け、返信する。
「プリン賛歌?」
そう、あの年はおじゃる丸。
ついでに「どしたの? 人生振り返る会?」と問うてみれば、娘は久しぶりに、小学生時代の友人達といるという。
今の趣味、仕事、生活、話題はいくらでもあるだろうに、「運動会で何やったっけ? 4年生はこうで…、え? そうだっけ? じゃあ5年の時は?」などと賑々しく盛り上がる様子を想像し、ひとり目尻を下げてしてしまう。
それにしても小2以外の演目は思い出せるものなのか。感心する。
娘の友人達の成長した姿を知らないわけではないが、脳内では12歳くらいの声と顔で盛り上がっているのが我ながら可笑しい。
娘からは、回答の速さを褒められた。えへん。
因みに後日、あの時それぞれの親に聞いてみたのか? と尋ねると、わかりそうな人…ということで、私に白羽の矢を立てて頂いたようだ。ちょっと笑う。

さて、この出来事からどのくらい過ぎただろう。
娘から、また問い合わせが来た。
「ねえねえ、小学校の運動会の応援歌、分かったりする? みんなで考えてるのに黄色だけ思い出せず…」
娘によると、先だっての友人達と10数年ぶりに遠出して、こんな話をしているという。
もっと話題が…とは言うまい。
何を話しても盛り上がるのだろう。
さぞかし賑やかなことだろう。
娘の小学校の運動会は、紅白戦ではなく、赤青黄の三色対抗だった。
赤と青の歌詞が出てきているという時点ですごいと思うが、若い脳とはそういうものか。
娘のメッセージは「分からなかったら大丈夫!!」と続いたが、私は速攻で打ち返す。
「聞く相手を分かってるねーキミたち!笑笑」
「ぼくらはきらめく 流星のように 光の翼 スターになって頑張ろう
 勝て 勝て 勝て 黄色
 ファイト ファイト ファイト 黄色
 みんなの力 黄色組」
もちろん記憶の扉ではなく、収納の扉だのみである。
娘からは「めっちゃすっきりした!」「みんなで『あ~~!!』ってなった」と返信。
そう、この「みんなで『あ~~!!』ってなっているさま」を思い浮かべるのが、実に幸せなのだ。
家でぼんやりしていたら、突然、楽しげな集いにちょこっとだけ混ぜてもらえたようで、なんとも嬉しかった。
若者達には何ということもない出来事だろうけれど、私は、心の奥でいつまでも温かく覚えているような気がする。
娘達に心からありがとうと言いたい。


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